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18:(甘やかしちゃうんだよ)

「ん…、?」


「おはよう、愛チャン」


「おはよう、?……え」


あたしが目を覚まして、ごろっと横に寝返りを打った先にいたのは、白蘭さんで…。しかも、あたし抱きしめられてない?


パチクリと何度も瞬きをして眠っている頭を叩き起こそうと、目をこする。


「ぎゃぁああ!」


やっと状況を理解すると、布団にくるまってバッと白蘭さんから体を離す。


「な、なななっ」


バンッ──


「愛!」

「どうしたの!」


あたしの叫び声を聞きつけて部屋に飛び込んできた二人に、白蘭さんを指さして、何で何で!と連呼する。


「酷いなあ、愛チャンが僕に抱きついて離れないからそのまま寝てたのに」


「嘘ー!」


白蘭さんは、余裕たっぷりの笑顔であたしをからかってるようにしか見えない。ていうか、寝起き見られたのが一生の不覚だよ。


「抜け駆けはなし、じゃなかったんですかね」


「やだな、これはほんの冗談だって。その物騒なものしまおうよ」


「クフフ…、このまま地獄への道へ誘いましょうか」


「骸君、僕は売られた喧嘩は買う主義だからね」


睨み合う二人を本当は放っておきたい状況なんだけど、くるまっていた布団から出て二人の間に割ってはいる。だって放っておいたらあたしの部屋が壊れちゃう…。


「あたしが悪かった、です…」


「「──」」


あたしがそう言うと二人から放たれていた殺気が消えた気がした。何とか収まったみたい。


「じゃあ、ご飯にしよう」


「うんっ」


二人の喧嘩に収拾がついたところで、ツナが笑顔を向けてそう言ってくれたから、パジャマのまま、彼についてリビングに出た。


「自分の気持ち認めちゃうと、こうも甘くなっちゃうものかな…」


「どうでしょうか…、ただ─」


「?」


「甘やかしてやりたくはなりますね」


「はは、骸君も同じじゃない」


愛がツナと朝食の準備をしている光景を眺めながら、珍しく、否、始めて笑い合った二人だった。




....
ガシャーン───

(あ、やっちゃったっ)
(俺やるから、あっち並べて)
(ごめん、ツナっ)
(いいよ、それよりまた余所見して割─)

パリーン───

(……あは)
(愛)

(早く行かないと、また割るよあの子)
(同感です、行きましょうか─)


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あきゅろす。
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