「え!学校来る!?」 「そう(ニコッ」 「う、うん」 「僕は反対しましたけどね」 翌朝、いつもより早めに起きて骸さんに手伝ってもらいながらお弁当を作っていたら、後ろから楽しそうに話を振ってきた白蘭さん。あたしにとったら楽しい話じゃないんだけどね! 骸さんだけでも痛い目向けられてるのに、次から次から皆来ちゃったら怪しまれる! 「ダメですからね!三人の転校生が一つのクラスに続けてきたらおかしいですって」 「愛、焦げてますよ」 「あー!」 料理しながら話していたもんだから、焦がしてしまい慌てて火を止める。 「その辺は骸君が何とかしてくれるよ」 「……面倒ですが」 「え?!引き受けちゃダメ!」 仕方ないと溜息を漏らす骸さんを慌てて引き止める為腕を引っ張るけど─。 「愛チャン…そんなに骸君がいいの?」 「え?」 「──愛」 あたしは骸さんの腕にしがみついたまま白蘭さんを見上げるけど、何処か寂しそうな顔をした彼にあたしの胸はトクンッと音を立てる。 そんなあたしを引き離した骸さんもまた何処か寂しそうで──、 何で──? 「綱吉は君のクラスの不登校児に当てはめておけば転入生は僕と彼だけで済む。そこまで怪しまれはしません」 「あ、はい…」 何故か突き放されたような感じがして、同意するしかなかった──…。 ───────────── 愛が彼らを学校に連れていきたくないのはわかります。これ以上厄介ごとが増えるだけですからね。 ですが、僕一人では愛を守るだけの余裕も周りに気を配る余裕も持てそうにない。 ただ、それだけのことで同意しただけなのに───。 ─「え?!引き受けちゃダメ!」 僕にしがみついて、必死に拒否反応を示す愛に心が乱れる。 あの男に恋敵と言われてから、愛を見る目が変わったのかもしれませんね。まだ子供で、不安定な彼女に振り回されている僕らも、まだまだ子供なのかもしれない。 愛も小さな子ではないのだから…。僕らとの別れも全て踏まえた上で、それでも最後まで嘘をつきたくないからと過去を話し、自ら壁を破った。 そのせいもあり、愛を守ることを誓った僕らも壁を張っているのが難しくなってきていた。 特に、白蘭は────……。 紫苑を殺すとまで口走ったくらいですから、相当頭に血が上っていたんでしょう。 まあ、僕も綱吉が先に口を開かなかったら──、 一番自分たちの立場を理解しているのはもしかしたら綱吉なのかもしれませんね…。 .... (うわっ白蘭さん可愛いーっ) (んー、あんまり嬉しくないな、それ) (え?褒め言葉ですよ?) (うん、分かってるけどね) |