ツナと骸さんと白蘭さんはあたしにとって、なくてはならない掛け替えのない大切な人。だからこそ、過去を話すことは躊躇ってきた。 だけど、今あたしがその三人からもらった温かい言葉は、あたしが昔に負った深い傷を癒してくれるようで、…そのまま、話すことを了承していた。 ─「俺…朝、愛に怒鳴っちゃったのとか…上手く言えないけど…頼ってくれないのが何か悔しかったからで…っ」 言葉を探して繋げて必死にそう言ってくれるツナの優しさ。あたしがあの時頼っちゃダメって言ったことに怒ってくれたんだね…。もう、三人に寄りかかって頼ってたくせに、自分でも矛盾してると思う。 だけど、今以上に、あたしが皆を頼っていいってこと教えようとしてくれたんだね…。 ─「僕らは気に入らない人間と何ヶ月も生活を共にするほど、出来た人間ではありません」 そんなこと言われたらあたし期待しちゃうよ…、骸さん。遠回しにあたしは気に入られてるって自意識過剰?…はは、考えてるだけで笑えちゃうよね。 だけど、学校で貴方に助けられたのは事実。あたしの気持ちぶつけても何も言わずに聞いてくれたこと…、本当に嬉しかったんだ。 ─「何も知らなかったら守ってあげたくても何も出来ないでしょ?」 ─「ゆっくりでいいから話してみない?」 初めて会ったとき、白蘭さんは正直あたしの苦手なタイプだと思ってた。笑顔の裏にどんなことを思って、いつツナや骸さんが狙われるかって冷や冷やしてた。そんなこと考えている余裕なんて、きっと貴方にだってなかったはずなのにね。 でも、今あたしに向けてくれてる笑顔は本物だって信じたい。貴方の言葉があたしに過去を話す勇気をくれたの。 三人の気持ちを無駄にしちゃダメ。たとえ、ずっと一緒にいられないんだとしても、あたしは三人に隠し事をして本当の自分を見せないままバイバイなんて嫌。 迷惑とか、嫌われるとか…、そんな不安は三人が取り除いてくれたから。 だからあたし、話してみようと思うの。 .... (じゃあお菓子食べながらのんびりいこう) (…貴方には緊張感というモノはないんですか) (さあ?) (…愛、話せる?) (…どうしよっか) |