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11:(虚勢張って大人ぶってるだけ)

愛が二度寝を決め込んでから暫くしての話──…。


リビングには食卓に座って話し込む三人の姿があった。


「愛が心配なら尾行でもしたらどうですか」


「無茶言うなよ!」


さっきからずっと愛、愛と心配気に口にするツナに骸は溜息混じりにそう口にする。


言われたツナはというと、骸の無茶な提案に、思いっきり否定の意を示した。


「じゃあさ、骸君今日一日、愛チャンと学校行けばいいじゃない」


「何故僕ですか…」


「綱吉君じゃここがだめだし、僕だと幻術の効きが悪いしね」


「酷ッ!」


マシュマロを頬張りながら、ツナのここを自分の頭を指さし話す白蘭。


だめというのは、中学のレベルじゃ高校ではやっていけないということなのだが──…、ツナは別の意味で解釈してか、少し落ち込んでいるようだった。


だが、直ぐに切り替えて白蘭の意見に賛成のツナは骸に頭を下げた。


「骸頼む!今日だけ愛の傍にいてやってよ」


「全く、お節介ですね君は…」


「ありがとう」


それを引き受けた骸は、幻術で外見姿形を十年くらい前まで戻す。


「小さい骸君て可愛いんだね。今からじゃ想像つかないよ」


「想像しないで下さい。気分を害します」


「折角お世辞にも褒めてあげたのにそんな言い方はないんじゃない?」


「可愛いと言われて喜ぶ男が何処にいるんですか」


バチバチと二人の間に散りだした火花に深く溜息をつくツナ。大丈夫かな、と心の奥で思っているのはツナだけだったという。


それから骸は愛を起こしにむかい、ツナと白蘭の二人がリビングに残った。


「綱吉君、一つ気になることがあるんだけど」


「?」


ツナが首を傾げると、頬杖をついて笑っていた白蘭の目が鋭くなる。


「愛チャンを恋愛対象や家族対象で見ない方がいいよ」


「どういう…」


「僕らはいつかは帰らなきゃならないんだし。その時に余計な感情が残ったら一番辛いのは愛チャンになる」


それは分かるでしょ?と付け足してまた目が笑っていなくともふわりと笑う白蘭にツナは首を縦には振らなかった。


「それって、おかしいと思う」


「?」


「愛は…見ず知らずの俺たちを助けてくれた…。ホントは怖かったと思うし、大変だったと思う…」


でも、とツナは続けて、顔を上げ白蘭を真正面から見据える。


「骸も貴方も愛がそういう存在になってきたことに怯えてるだけだよ」


「「?!─」」


ツナがそう告げた時、丁度部屋から出てきた骸の耳にもその言葉は届き、二人は静止する。


「ホントは心配で仕方ないくせに虚勢張って大人ぶってるだけだろ!」


「「───…」」


図星を突かれたのか、そうでないのか、黙りを突き通す二人に声を張り上げるツナ。


「だから俺たちがここにいれる間だけでも、愛を守ってあげようよ…」


勢いを静めて、消え入りそうな声でそう呟いたツナに二人はふぅ、と一息ついた。


「綱吉君、愛チャンが抱えてる問題は小さな事じゃないよ」


「僕らと同様、マフィアが関わっている可能性だって0ではありません」


「!…わ、分かってるけど」


¨マフィア¨その言葉を聞いて、さっきの愛の監視の話を思い返す。


マフィアが絡んでいるなら尚更、彼女を救えるのは自分たちだとツナは心の内で思い直した。


「で、でも俺は…それでも愛を見捨てない。俺が愛を守りたいっ」


「…あーあ、格好いいこと言っちゃってくれるねー、綱吉君」


「全く、何も把握していないのによくもそこまで言い切れますね…」


二人の言葉に身を強ばらすツナ。だが、次の瞬間ガラリと変わる空気。


「僕が手を出すのは、愛チャンの命の危険を感じたときだけだよ」


「…少しなら手を貸しましょう」


二人の答えにツナが喜んで頷いたのは言うまでもない。




....
(しかし綱吉がそこまで言うとは…)
(本気で惚れちゃった?ニコッ)
(ち、違うよ!)


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あきゅろす。
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