「愛、もう七時だよ?」 「んー…、何か頭がボーッとして…っ」 フラフラする体を何とか起こしてリビングに向かう。 「だ、大丈夫?!」 後ろからは心配げなツナの声がかかって──…。 何だろ、頭がぐるぐるして、体に力が入らない。 「!…愛!」 最後に聞こえたのは、ツナの声であたしはそのまま意識を手放した。 ポスッ───── 「全く、昨日あんな時間までテラスに出てるからですよ」 「骸君も気づいてたんだ」 「え?昨日って?」 愛を腕に抱きながら、溜息をこぼす骸に朝食をとっていた白蘭。 そして、昨晩のことを一人理解していないツナは慌てていた。 「昨日、ココア事件の後に愛チャン、君が寝てからテラスに出たんだよ」 モーニング珈琲を口にしながら昨晩のことを話し出す白蘭に目を見開いていくツナ。 骸は、自分に寄りかかってグッタリした愛を抱え部屋に寝かしに向かう。どうやらその所為で体調を崩してしまったようだ。 「家族のこと聞いたからかな?暫く、涙流してたみたいだよ」 「え…」 「つまり、愛には¨家族の会話¨はタブーって事ですよ」 パタンッと静かに扉を閉めて、リビングに戻ってきた骸は無表情のままそう口にした。それでも心の内では愛を少しは気にしているようだが…。 「まあ、ここ最近…この近辺をうろついてる連中も絡んでそうだけどねー」 笑っていた白蘭の目が鋭く光り、窓の外に見える数人の人物に向けられた。 「彼らは愛の監視役といったところですかね…」 「えっ」 何でも把握している二人に、驚かされてばかりのツナは会話についていけなかった。 .... (まあ、取り敢えず学校には連絡入れときますか) (熱あった?) (少し高いみたいですね…) (えっ大丈夫かな…) ─────…… (愛が風邪如きでへばりますかね?) (以外と弱っちゃって甘えてくるかもねー) (妄想は口に出さないで下さい) (妄想じゃなくて予想の間違いだよ?) (どーでもいーけど看病しようよ…) ((………)) ──────…… ((分かってる(ます)よ)) (………) |