「んー…?」 げっあたしあのまま寝ちゃったの?だったら何でベッドに…。慌てて飛び起きると、机に向かっていたはずのあたしが寝ていたのはベッドで──。 「綱吉、何やってるんですか」 「えっ、や…その」 「あーあ、やっちゃったねー」 小さくだけど聞こえる三人の声にハッとして時計に目をやる。時刻は七時にまでなっていた。 「ね、寝坊したぁあ!」 慌てて布団から飛び出たあたしは部屋を飛び出してリビングにでた。 「あ、愛…」 「おはよう、愛チャン」 「おはようございます」 そんなあたしを出迎えてくれたのは何だか馴染んでる三人。何か知らないけど朝ご飯作っててくれたみたい。悪いことしちゃったな。 「ごめん…愛、焦がしちゃって」 しゅんとなるツナに、何にもしないで観察していたらしい白蘭さんが笑ってる。骸さんは別の事してたのかな?まあ、料理には変わりないんだけど…。 「あ、ううん…ありがとう」 「え?焦げたんだよ?」 「いや、少しだしね…」 あたしに比べたらこんな焦げ大したことないさね。それに作ろうとしてくれたことが嬉しいから。 「まあ、愛のモノに比べたらマシになるんでしょうが…」 「美味しいよ、ツーナ」 「なっ愛!」 あたしは、骸さんの言葉を流して、ツナの手作り卵焼きを口に放り込み、そのままツナに抱きついた。 全然美味しいよ!焦げ加減が悪くないからいいのかもしれないね。 「「────」」 それを二人は呆然と眺めてる。そんな、お前大丈夫かみたいな顔しないでよ…。 「愛、遅刻しますよ」 「あ!わっ、大変!」 そんなあたしに溜息を一つ吐いた骸さんが、何かをあたしの前に差し出した。これって──。 「へ?」 「…お弁当ですよ」 「はい?」 無表情の骸さんだったけど、あたしが二度も聞くもんだから眉を寄せて、それはスッとあたしの前から遠ざけられた。 「いらないならいいです。さっさと行きなさい」 「わっわ!いります!」 あたしは、高々とあげられた弁当に手を伸ばす。もう、イジケないでよね! 「よ、とっ!わっ」 「!─…」 やっと、掴めたと思ったら背伸びをしていたせいで、足を捻り骸さんの胸にダイブした。お、怒られるー! 「ご、ごめんなさいっ」 「いえ…」 あれ?今、一瞬だけ抱きしめられた気がした…。 「愛チャン、七時半だってー」 ふ、と顔を上げたら骸さんは顔を逸らしていて、その代わりに聞こえてきたのは白蘭さんの声。え、七時半ー!! 「うっそー!」 あたしは、お弁当を鞄にしまいこんで、脱衣所に走り、顔を洗って着替えてから鞄をひっつかみ玄関に飛び出した。 「あ!ツナ!」 「え、何?」 「二人が喧嘩しそうになったら、あたしに電話していーからね!即、飛んでく!」 あたしは出がけにツナを呼んで、携帯番号を書いた紙を渡すと頭を撫でた。撫で心地最高! 「あ、うん、いってらっしゃい」 「!…行ってきます!二人とも家壊さないでね!」 パタンッ────── 「家壊すなだって…」 「聞こえてますよ…」 「ハハッ、言われるとやりたくなるな」 「「………」」 .... (冗談だって) (そうでなくては困ります) (……(早速電話しなきゃならなくなるってー!) |