I wish (私は願う) that this happiness (この幸せが) continues all the while. (ずーっと続くことを) 骸ハッピーエンド続 「愛、起きないと遅刻しますよ」 「んー、後五分〜」 耳元で聞こえる心地の良い低温ボイスに布団に潜り込んでしまうあたしは、今になっても寝坊上手(?) だって、朝から大好きな人の声が耳元でしたら何か幸せーってなって眠くなっちゃうんだもん← 「起きないなら襲いますよ」 「んー…」 「いい度胸ですね」 何を言っているのか分からないまま生返事を返せば、首もとに感じる痛みを伴った快感。 「ひゃっ!」 首を押さえて慌てて起きあがれば、満足そうな笑顔を向けた骸が目の前にいて、あたしの頭を一撫ですると寝室から出ていった。 「い、今なにされた!?てか今何時!」 いろんな意味で混乱してる頭を何とか回転させて、近くにあった携帯で時間を確認すれば遅刻ぎりぎりの時間。ていうか遅刻! あたしは慌てて支度をしてから部屋を飛び出した。 *** 「骸のバカー!何で起こしてくれなかったのよー!」 「起こしましたよ、さっきので三回目ですから」 朝食の支度をしてくれていたらしい骸に、朝っぱらから怒りの矛先を向けているあたしこと、楠木愛は薬学部の大学に進学しました。 そして、何故彼がここにいるかっていうと、独り立ちしたあたしが心配だったとかで、ツナが骸に言い渡したちゃんとした仕事なんだって。 ツナがボスに就任してあたしより偉い立場に立ったのは分かるよ。けどさ!何かものっそいガキ扱いされてない?あたしだって自分の身の回りのことくらい……、 「出来ないでしょう、朝だってこんな調子なんですから」 「うっ」 あたしの考えていたことが分かったのか、鋭い突っ込みが横からかかった。でもね、料理以外は頑張ってるんだよ?!家事全部を骸に押しつけてるわけじゃないもん。 「殆ど全てじゃないですか」 「お、お掃除洗濯はやってるじゃん!」 「炊事は家事の基本ですよ」 「うっ」 「いつまでたっても手が掛かりますね、愛は」 そう言って笑ってる骸の表情は、あたしをからかって遊んでるときの愉しそうな笑顔。いっつもあたしの上をいく彼に、いつまでたっても勝てないあたし。 だけど、何年も一緒にいる間に学んだ一つだけ骸に勝てること。 「今日も大好きだよ、骸!」 「!─、早く行かないと遅刻しますよ」 玄関先でお見送りしてくれる骸にとびっきりの笑顔を向けての愛情表現。貴方は柄にもなくこれには照れ隠しするんだよね? プイッとそっぽを向いた彼にこみ上げる笑いを抑えて、行ってきますと背を向ける。 「愛」 「え?」 「今日も愛してますよ」 「なっ」 ドアを開けて、外に出かけたあたしにかかった愛しい人の声に振り返れば、お返しだとでも言いたげに、あたしと同じ言葉を返してくる骸。突然のことだったから顔に一気に熱が集まる。 「それから首、隠しといた方がいいんじゃないですか?」 「へ?──ああっ!!」 骸が自分の首元をさして悪戯な笑みを向けてくるから、慌てて鏡で自分のそこを確認すれば、俗に言うキスマークがつけられていた。 「僕に勝とうなんて十年早いんですよ」 訂正、どうやらあたしはまだまだ彼に勝るものがないようです。 .... (久々に様子見に来てみれば、相変わらずラブラブじゃん) (そう見えますか?) (何だよ、幸せ感じてないの骸…) (いや、愛の魅力が増して、我慢してるのが辛くなってきたんです) (まだ何も手出してなかったの─!?) (あそこまで無防備だと手の出しようがないですね) (はは─(愛、相変わらずだなー) -fin- →後書き |