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11:(たまには送る側になろう)

「本当に一人で大丈夫?」


ツナと一緒に学校欠席となるあたしを心配して、朝からずっとこう言ってる白蘭さん。心配性なんだから。


「ツナいますし、つい最近襲撃もどきあったばっかだし大丈夫ですよ」


苦笑しながらそう返したら、休みたいと呟いてる白蘭さん。何か可愛いっ。


「だな、まあ、俺は昼前に帰るから安心しろ」


「うん!」


九条君サボル気満々だな…
あたしが元気よく返事を返すと、くしゃっと頭を撫でられたから(髪くしゃくしゃになったけど)笑顔を返す。


「愛、もしもの時は熱があろうと何であろうと綱吉を盾にしなさい」


「骸さん…」


真剣にそんなことを言うもんだから、あたしは苦笑しながら骸さんを見上げる。彼が言うと冗談に聞こえないから怖い。


「愛チャンこれ本気」


「綱吉にも言ってありますから」


コツンと頭を小突かれて、ポカーンとするあたしに、二人はあたしの後方を見据える。


「え?──ツナ!起きてきちゃダメじゃない!」


あたしが不思議に思って振り返ると、体を無理に起こし、壁により掛かってこちらを見ているツナがいて──、


「へ、平気だって…」


あたしは直ぐに駆け寄って、彼を支えるようにして側に立つ。こんな立ってるのがやっとのくせに、平気な訳ないじゃん。


「平気なわけないでしょ!ほら、寝る!」


「ちょ、愛!」


平気な訳ない。昨日騒いじゃったせいで凄く熱上がっちゃったんだから…、体フラフラの筈だし、だから一人になんかしとけないんだよっ。


あたしはツナを部屋に押しやると、リビングからひょこっと顔を出す。


「いってらっしゃい!」


「「「──」」」


いきなり何を言われたのか、分からなかったのかポケーッとしてる三人にニコッと笑いかけると、ハッとしたように我に返った。


「い、行ってきます」

「行ってくるねー」

「行ってきます」


我に返った三人から返ってきた返事に手を振って送り出す。何だか送る側っていうのもたまにはいいかもね。




***

「俺送り出してもらえたの初めてだぜ」


「僕もかな?部下とかのぞいたら、ね」


「何故僕の方を見るんですか」


「元部下じゃない、裏切り者の」


「ご丁寧に解説ありがとうございます」


「おいおい」



「…………」


俺の前を歩く三人は確か愛の同居人だったな、けど何で九条まであの家から出てきたんだ?


槍振り回して、喧嘩どころの騒ぎじゃなくなってんじゃねえか。


「─…」


珍しい、否、金輪際見れないだろう三人のスリーショットに学校に行けと言われ、足を向けていた彼は目を見張った。


だが、そんな彼…¨颯斗¨に気づくわけでもなく、未だ言い合いを続けながら先を行く三人。


そんな三人はひどく楽しそうで、幸せそうに見えたのはきっと間違いじゃない。


「俺もああだったのか…?」


返ってくるはずもない問いを空に投げかける¨颯斗¨の問いは、後ろから吹く温かい風によって流された。




....
(つーかお前等さ、公共のもん壊すなよ)
(……壊したのは骸君だよ)
(壊れるのは貴方が避けるからですね)
(屁理屈言うなよ、愛に迷惑かかんだからな)
((──))

(、(大人しくなった…)


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あきゅろす。
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