ポツ、ポツと空から降る雨
そっと頬を濡らして
服を、髪を濡らしてく
冷たいはずなのに
何故か温かくて
きっと、それは───
あたしの心を映しているんだ
雨に濡れれば全てが流れる
まるで、嫌なことを全部
忘れさせてくれるみたいに
そして、彼らが泣いている様に
そう思えて仕方がない
違うね───
あたしが泣いてるんだ
¨さよなら¨
それがこんなに重いなんて
知らなかったよ
¨さよなら¨と¨またね¨
この二つの言葉
あたしは¨またね¨と
そう言いたかったんだ
きっとまた会えるからって
そんな無に等しい可能性に
少しでもいいからと
縋(すが)ってしまうのは
あたしがまだ子供だから
成長しないから
後ろばかり振り返って
前に進もうとしないから
そんなの分かってるんだ
だけど、分かってるけど
進んでくれない
過去にとらわれて動けない
¨現実逃避¨
違うよ
あたしがしてるのは
¨叶わない恋¨
それは降りゆく雨の中
痛いほど身にしみて
どうすればいいか分からない
彼らと過ごした時間は
長いようであっという間の日々
その中で芽生えてしまった
決して抱いてはいけない
人を恋い慕う気持ち
出会いがあれば別れがある
それは当たり前のこと
でもね、そんな理屈
あたしには必要ない
出会ったのに別れる
そんな理由がどこにある?
出会っちゃいけないなら
最初からそうすればいい
別れなきゃならないなら
最初から出会わなきゃいい
これが偶然というなら
あたしは必然であると願う
そして、その必然が
またあたし達を
引き合わせてくれると
そう信じたい── |