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09.マネージャー就任。

「二人して遅刻なんて一体どーゆーこと!?」


「やめろよ、堀尾…」


「あはは…で、リョーマ君なんて答えたの?」


結局遅刻した俺たちは、学校でも評判の鬼教師に怒られた。それをしつこく真似しながら囃し立てる堀尾。昼休みからしつこ過ぎなんだよ。


「それがさー、こいつ…」


「そんなのどーでもいいじゃん…、部活遅れてもしんないよ」


「あ泊メてよ越前!」


「待ってよ二人とも!」


何か今日からマネージャー入るらしいし、遅刻したらグラウンド20周じゃすまないッしょ。そう思って足早に部室に向かった。


まさか、そのマネージャーが俺のよく知る奴だなんて思いもしないで──。




***

「お呼びですか?竜崎先生」


放課後、緊急で職員室に呼び出されたあたしは、緊張しながら顔を出した。何か怒られるようなこと…は、したけど、説教は終わってるし…。


「すまないね、呼び出したりして…」


「いえ…で、お話って?」


どうやら怒られるとかそういう類の話ではないみたいで一安心。竜崎先生って怒ったら怖いって有名だもん。


「実はな、都大会も控えてきたしその後勝ち進めば関東、全国と大会が続くんじゃよ…」


「は、はあ…」


いきなり腕組みをして何を話し始めるのか、と耳を傾けていたらどうやら部活の話みたい…。あたし関係なくない?


「そこでだ、お前さん部活には所属しておらんかったな」


「え、あ…まあ…」


「テニスには関心あるかい?」


「はい、テニスは大好きです」


最初の質問に対しては少し曖昧になったけど、テニスに関しての質問は笑顔で返すことができた。


「それはよかった。よし、手塚とも話し合っていたんだが、うちの部にもそろそろ正式なマネージャーを迎えようと思ってね」


「へ?」


「お前さんなら、部の連中にも面識があるし、テニスの知識も備わっておるから適任だと思うんじゃが…どうだい?」


いきなりのお誘いに半ば唖然としながらも、悪い話じゃないと思った。だって大好きなテニスを一番近くで感じられる。それに、リョーマをサポートだってしてあげられる。


「それにどうやらリョーマはアンタにお熱のようだしね」


「せ、先生//!」


どうやらそれは先生もお見通しみたいだったけど、ね。


「はは、じゃあ引き受けてくれるかい?」


「あたしでよければっ//」


あたしなんかが役に立つかは分からないけど、リョーマもいてくれるし頑張らなきゃ!


「じゃあ決まりだね。ほらコート行くよ」


「あ、はい!」


「おっと、その前に、マネージャー専用のジャージだよ。これ着ておいで」


机の上に置いてあった袋包みのそれをあたしに渡した先生を見てある事に気づいた。


「先生ってば、あたしが絶対マネージャーになるって分かってたんでしょ」


「いや別に、これはいつかの為に用意して──」


「あははっ」


「適わんなあ」


竜崎先生の言葉詰まりについ吹き出したあたしを頭をかきながら、苦笑をもらして見つめる竜崎先生。何だかこれから楽しくなりそうな予感。




....
(リョーマまだ知らないんですよね?)
(手塚にしか言っておらんからなあ)
(じゃあ喜んでくれたらいいなっ)
(!──はは、その辺は心配ないさ)


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あきゅろす。
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