夕日が綺麗に輝く中、閉会式が行われ、青学は一位で地区予選を終えた。 そして、いろいろあって忘れてたけど、リョーマ君に話があると呼び出されたあたしは、彼の後ろを着いて人気の少ない所に来ていた。 「話って何?」 目のこともあるし、早く病院に連れて行きたいあたしは焦りながらもリョーマ君の言葉を待っていた。 「あのさっ」 「うん?」 夕日のせいか、リョーマ君の顔が少し赤くなっている様な気がする。 「……っ」 「リョーマ君?大丈夫?」 あたしは、熱があるのかと思って中々言い出さないリョーマ君の額に手を伸ばした。 パシッ──── 「え───?」 瞬間、その手はリョーマ君によって遮られ、そのままグイッと引き寄せられた。 「俺、アンタが好き─」 「え…?」 「俺と付き合ってくんない?」 言葉的に軽く取られるかもしれないけど、本気だって言うのは痛いほど伝わってきた。抱きしめられてる腕に力がこもって、それに反してあたしは力が抜けていくかの様に力が入らなかった。 「…返事」 「えっと…//」 「言うまで離してやんない」 まるで悪戯っ子の様にふてくされるリョーマ君。そんな彼が何だか可愛く思えて、つい笑いがこぼれた。 「何、笑ってんの…」 「リョーマ君、一生懸命で可愛いんだもん」 「…真面目に聞いてる?」 「聞いてるよ」 嘘付けみたいな目を向けられたあたしは、リョーマ君のユニフォームをギュッと握って身を寄せる。 「香山…?」 「あたしも大好き…」 「………」 「リョーマ君…?」 暫くしても反応がないので顔を上げたら、リョーマ君があたしを見て目を見開いていた。 「リョーマ君、リョーマ君!」 「っ//!み、見るなッ」 「わっ!?ちょ//」 いきなりハッとしたのか、あたしの頭を抱え込んで叫ぶから吃驚した。ていうか、抱きしめられたままって恥ずかしいんだけどっ。 「リョーマ君っは、恥ずかしいんだけど//」 「リョーマ…」 「え…?」 「リョーマって言うまで離さない…」 「えっぇえ!」 何かさっきと言ってること違うし!しかも、さっきの照れてたリョーマ君はどこ行っちゃったの! 「じゃ、じゃあ、美咲って呼んでくれる?」 「さあ…?」 「ず、ズルいよ//」 「ズルくない」 「もう…」 逆に話を持ちかけてみたのにちっとも動じないで、余裕満々って感じで見下ろされた。こういう時、身長差があると嫌だなって思う。だけどやっぱり余裕かましてるリョーマ君が一番格好いいや。 折角両想いになれたのに、何だか実感わかないなあ…。 「越前、そんくらいにしてやれよ」 「オチビー、ちょっとやりすぎだよー?」 「おいお前等!邪魔しちゃダメだろ!」 「「え……」」 いつから見ていたのか、茂みの中から出てきたレギュラーの先輩達。 しかもみんな───。 手塚先輩まで…! 「バス来るらしいから、帰ろう美咲チャン」 「わっ!」 「よかったね、両想いで」 「せ、先輩//!」 英二先輩に抱き上げられたかと思ったら、横から不二先輩に頭を撫でられて…。 「ちょ、返して下さいよ!」 「ま、オチビには悪いけどここにいるみーんな美咲チャンが大好きだからねん♪」 「えぇ!」 英二先輩ってば抱きしめたまま何言ってくれちゃってんの!冗談でもあたし間に受けちゃうって。 「独り占めはよくねぇな、よくねぇよ!ははっ」 「だいたい先輩達、覗き見とか趣味悪いんスよ!」 「だがいいデータが取れたよ」 「何のデータッスか?」 「ん?内緒だ」 「いつまで遊んでいる気だ!帰るぞ」 「ほーい」 「クスッ、これから大変だね」 「…………←複雑」 その後、帰りのバスにあたしも乗せてもらったはいいんだけど、リョーマ君…じゃなかった!リョーマの機嫌はすごぶる悪かった。 「リョーマ君…」 「……」 美咲が話しかけても一向に答えない越前に心配して見守るレギュラーは、少しは罪悪感を抱いているようで。 「リョーマっ」 「……何」 だが、美咲が呼び方を変えたことで返事を返したことに一同安堵の溜息を吐いた。 「!だーいすき//」 「なっ!」 そしてここにバカップルの誕生となったとか。 .... (いきなりキャラ変わりすぎ) (え?ごめん…やだ?) (素直になったのはいいんじゃない?) (!──えへへっ//) |