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04.来てくれた事が嬉しい。

結局先輩達の盛り上がり様から歯止めが利かなくなり、放課後、絶対香山を連れて河村寿司に来いとまで言われた。


「ほんと?」


「うん、うん!」


その当の本人は、竜崎と小坂田と談笑してるし…、このまま誘えば間違いなく、俺が香山に気があるってバレる…。


「あ、リョーマ様!今日、部活ないんでしょ?一緒に帰りましょうよ!」


「え…」


またややこしいことになるって、香山だけでいーんだけど。つーか邪魔しないでよ。


「朋チャン、あたし先帰るね」


「何でさ!美咲も一緒に帰ろうよ!」


「え、でも…」


「折角、リョーマ様と帰れるのよ?勿体ないって!」


帰ること決定かよ…、俺は香山に用があるんだって…。


「…悪いんだけど俺、今日先輩達と別の用事あるから…」


「えー!…分かりましたー」


とにかく、これで小坂田達が来ることはないだろ。後は、香山にどうやって知らせるかなんだけど…。


そこで、香山と目があったけど直ぐに逸らされた。何か、傷つくんだけど。


「じゃあ…」


「さよーなら!」


「バイバイ、リョーマ君」


「…!」


俺は特に何も言わずに、教室を後にした。その通りすがりに香山の手に紙を握らせて。




***

「はあ…、」


あれで伝わってれば、ここに来るはずだけど…。先に学校を出て、河村寿司の前で待ってる事にした俺は、まだ店に入らず、ドアに寄りかかっていた。


「ほら、そこよって!リョーマ様!」


「煤c」


何の冗談だよ…。俺、一人でって書かなかったっけ?


何でかしらないけど、小坂田と竜崎と一緒に来た香山に溜息がこぼれた。


「なーんだ!リョーマ様も此処だったのね!」


「…(もう誤魔化しきれない」


ガラッ─────


「越前遅ーなって…!あ…」


「桃先輩!」


「て、ことは皆さんいるんですか?」


桃先輩がいきなり出てきて、完璧に逃げ場を失った俺は香山に視線を向ける。別に怒ってるわけじゃないけど…。


「あ、えっと…」


「いいよ、別に…」


謝ろうとしたのか、そわそわする香山に溜息を一つ吐いて、先に入った竜崎達に続いて中に入ろうと香山に背を向ける。何だかんだ言って来てくれたことが嬉しかったし…。


「リョーマ君」


「…何?」


それを香山に遮られて、後ろから呼び止められた。何かと振り返れば、落ち込んでるのか、俯いている香山の姿が目に入る。


「あたし、帰るよ…」


「何で」


今、来たばっかじゃん…。


「だって、皆テニス部関係なんでしょ?あたし…」


「いいから」


俺は、グダグダ言う香山の手を引いて中に無理矢理連れ込んだ。…俺が会いたかったのは香山なんだし、帰られたら困る。




....
(好きな奴と一緒にいたいのなんて)
(当たり前じゃん……)


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あきゅろす。
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