腹黒カレシのお気に入り
小鳥遊くんとの出会い
「やっぱり、顔、怖いかな…」
研究室に戻った僕は、さっきの女の子が何故逃げて行ってしまったのか、理由を探していた。
小さい頃から人と付き合う事が苦手で、話そうとすると声が震える。顔が引きつって、笑顔が作れなくなる。その為か、観察能力に優れてしまって、相手の表情、仕草、色んな事に敏感になってしまう。
「あ、…もしかして、あれがダメだった…?」
思い返される記憶。
”『鼻から毛、出てるよ』”
みんなの前で恥をかかないように、言ったつもりだけど…
「言う場所を、間違えた…」
僕はいつもこうだ。気になると、思わず体が動いてしまう…。女の子に対して、あれはまずかった…よね。
カラカラカラカラ
少し大きめの窓まで歩き、ゆっくりと開け、外の空気を吸いながら、今日も反省していた。
「僕は、なんて最低なんだろう」
青い空を見上げながら、
はぁ〜、と溜息をついた時、
「柏木先輩って最低なんですか〜?」
と、少し下の方から声がした。
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