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真田家

ある朝の真田家
チリンチリンと涼しげな音色の中で鼻歌まじりで料理がテーブルに並べられていく

今日の朝食は
焼き魚に卵焼き、その横にちょんと添えられた大根おろし、ほうれん草の磯辺和え、炊きたての白米に、わかめと豆腐が入ったTHE・和食な朝食

そんな朝食が並べられたテーブルにいち早く着席していたのは、皺一つないシャツのボタンを第一ボタンまできっちりとめ、ネクタイもぴっとしめ、シャツはズボンの中にしっかりと入れた生徒の模範になるような制服に身を包んだ真田朱里の姿があった

朱里はおあずけをくらっているワンコのように、家族が揃うのを背筋を伸ばし忠実に待っていた

真田家には朝は必ず揃って食べるという決まりがある
しかし、小さい頃からそういった環境なので、決まりではなく、それが当たり前のようになっていた

「朱里ちゃーん?準備できたから、湘里起こしてきてくれない?」

先ほどまで並べていた朝食の準備が出来た朱里の母、真智が朱里にお願いする

俺は早くこの出来たての朝食を温かいうちに食べたい

「30秒で用意させます、母さんも早く父さんを起こしてきて下さい」

スッと席を立ちながら母さんに言う

「あらあら、パパは私のキスでしか目覚めないものね」

ポッと頬を赤らめながら言う母

何処のお姫様ですか
しかし母さんは知らない
父さんが母さんが起きる1時間前に起き、母さんの寝顔を見て幸せオーラを出していること
そして、狸寝入りをして、母さんのキスを待ち構えていること

はぁ、まぁ仲がいいことは非常に良い事ですが、いつも朝食を待たせるのだけは勘弁してほしいです


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あきゅろす。
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