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03

人の声が聞こえる…
この声はだれ?

「あー…ーーなぁ…る」

さっきまで遠のいていた意識が戻ってくるに連れてブツブツの呟く声が鮮明になっていく


「に、してもなぁ」



「…なんかなぁ」

ん?誰だろうこの声…
少し目を開くとそこにはどアップになった手が今にも触れそうな距離にあった

「え…?」

あ、びっくりして思わず声が出てしまった…

「え、あ、わ!」
ガタガタン!!!!

転んだ

「大丈夫ですか?」

俺が声をかけると「え、あ、うん!あの」といいながら慌ただしく起き上がる

「べ、別に触ってみようかなとかあのシチュを再現してみようかなとかなんとなく似てなくもないかなとか思ってたわけじゃないから!」

?何を言っているんだろうこの人は
けど、今の発言は思ってた事を言ってしまっている気が…

んー、ところで

「…あなたどちら様ですか?」

先ほどまでアワアワしていた彼がぽかんとした表情になる

「………やっぱり無理かー」

無理?

「いや、いいんだ、分かってた!分かっててやったんだ僕は…さ、続きをしよう」

勝手に諦められた俺はどうすればいいんだろう

彼はちょうど真ん中くらいの席につき、引き出しから何かを取り出して、イヤホンを装着するとカチャカチャとやり始めた

何をしているのかが気になりしばらく彼を見ていると…


「くく、おはよう…僕も会いたかったよ、やっぱり僕には君だけだよ」


と誰かに語りかけていた


少し危険な香りがした…





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