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食堂

あれから適当な席につき、丸テーブルで食事をしながら、雑談をした

メニューが豊富な上設備もしっかりしていて、本物のレストランの様にウェイターの細かい気配りにここが学園の食堂と言うことを忘れるほどだった

メニューには値段がなく、料理名だけがつらつらと綴られ、その料理を押せば、どんなものか画面に映り出されて、どんな物か想像しやすかった。とても選ぶの戸惑い、またいくらするのかかなり気になってしまった


そして今更ながら、こんな贅沢をしてしまって良いんだろうかと心苦しい気持ちになってきた

梓さんに少し、相談してみよう…と心で決め、

同時に
家族にも食べさせてあげたいな…という願いがぽっと心の内に浮かぶ


「それでさーぁw…
朱里w?聞いてるw?」

という声で引き戻される

まだ少しの間だけれど、こうやって同年代と食事を囲むことに慣れていないため、また駄目な癖が出てしまった

あまり、人と喋る機会がなかったためか、ちょっとしたことでも頭で物事を考えると止まらなくなってしまう

故に、自分の世界に入ってしまう事が多々あった

悪い癖ですね…直さなくちゃ


「すみません
呪いの石の話、でしたか?」


と話してた内容を掘り返す
と言っても、適当に

「いや!w
そんな話してないからww
真顔で言われたら、あれ?そうだっけ?
ってなっちゃうからww」

ここ数時間前に出会った人にこんなに打ち解けたの初めてだった


突っ込みを入れている、斜めで優雅に食後のティータイムを過ごしながら、忍がそんな2人を見ていた



「話を戻すと」

と改めて話す綾人に、謝罪をし、今度はきちんと聴くため、顔を向ける

「なんで朱里はこんな時期に転校して来たかって話ww」

くくくっと笑いながら話すので、とても軽く話せる気がした

「俺もそれは気になるな」

カチャと高価そうなティーカップを一旦置くと、見守るように見つめてきた

忍とも少しは解して話せるように…なったのかな?
それは先程までのめんどくさいオーラは出ていなかった様に感じられるから

親身になって聴いてくれそうだった

確かに…ここまで良くしてもらって話さないのはいけないと思う

しかし…すみません…


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あきゅろす。
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