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04

ぽかんとしたまま見られている

かと思ったら

「ふっ……ハハハハハハハッ」

いきなり笑われた

「なに、眼鏡くん!こんな時に、ふっ、普通あいさつ、はっ、する?」

ゴホゴホっ
咳き込みながら言われる


「ふふっ、でもさー、眼鏡くん、今、ピンチなんじゃないのー?」

一通り笑うと、何かを楽しむ様に言ってくる

ピンチ?
確かに…
この状況は…ピンチ!

「ねー、聞いてる?めーがーねーくーん」

ほっぺをむにむにされる

「聞いてますよ。見逃してくれませんか」

内心ではかなり焦っているのに、そんな言葉が出てくる

「どーしよーかなぁ。
てか、眼鏡くん、真面目そうなのに覗きとか、いい趣味してるよねー?」

「趣味では…ないです」

見逃してくれる気なさそうですね
そして事故ですよね、これはきっと…

「見ない顔だねー、眼鏡くんも、誰か目当てで、いけないこと、しに来たのかなー?」

ニヤニヤしながら聞かれる
そして、今だふにふにされているが、そんなことはどうでもいい

眉間に皺を寄せて考える
何言ってるんだこの人…

「全然抵抗しないんだねー、喋んないし、もしかして目当て俺なのぉー?んー、まー…触り心地いいしー、サイズも大きすぎず小さすぎずだし、けど、顔がなぁー」

何かを模索するように考えている

「…まっ、味見くらい、いっか」

そういうと、壁に押し付けられ、相手の両腕が顔の真横にあって、挟まられる状態になった

「つっ…」

少し頭をうった…痛い…

「強かった?ごめんね?お詫びは、体で払うから」

どんどん近づいてくる今日まともに見た男の顔はかなり整っていて、微かに差した教室に入ってくる光に反射し、金髪の髪と、耳に開けた赤いピアスがキラキラしていた。

ふにっ

「……」

「……」

「手、どけてよ」


後少しで、唇が重なるというとき、とっさに自分の口を手で塞いだ

セーフ…手に唇の感触が残ってしまったのが、気持ち悪い…後で入念に洗おう

「めがねくーん、誘ってんなら、そんなめんどくさいこと、やらないでよー」

めんどくさいからと言うと、口を塞いでいる手の甲にチュッチュと何度もキスをされる

「ほら、唇だして?」

正直…かなり…
気持ち悪い…うぇ
息の根止めてしまおうか


そろそろ強硬手段に出ようとした…

その時…














ピンポーンパーンポーン

「和泉 千秋、至急生徒会室に来るように
来なければ、お前は一生トイレ掃除だ」

マイク越しだったため、少し篭って聞こえるが、低めのかなり色気のある声だった

その放送を聞いた男は
そのままの態勢で


「今日はここまでだねー、めがねくん。
あっ、よく見たら、ここの制服じゃん。
じゃーあ、また遊べるね?」とニコリと笑った

一生トイレ掃除やだしー、行くねー?
と言うと

チュっ…
おでこにキスされた…


取り残された俺は、脱力するかのように壁を伝ってズルズルと座り込む

今切実に思うこと…





帰りたい…な





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あきゅろす。
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