09
家族団欒でご飯を食べていると
「そう言えば、朱里?
明日から夏休みだったよね?」
父の問いにコクンと頷く
「明日、梓がね、話したいことあるから、梓の学校の条桜(ショウオウ)学園に来てほしいんだって」
梓とは父の兄にあたる人で、朱里の叔父
学園の理事長をやっている
「わかりました。」
そう簡潔に答えると、父は
「あっち男子校だしあまり朱里には立ち入って欲しくないけど、迎えが来ると言っていたから大丈夫でしょ」
あまり意味を理解してなかったが
安心した顔をする父だったので、知らなくても大丈夫なものだと思った
さらに、ぽんっと頭の上に何かが乗っかったので、その置かれた方向に顔を向けると
「気をつけて行くんだぞ。」
まるで、幼稚園児に語りかけるように手のひらで頭を撫でながら、心配した顔の兄が言った
何故気をつけなければならないのか、やはり分からないので首を傾げる
その行動に湘里はニコリと微笑む
「ほんと、かわいい。
だから、朱里は知らなくていい。
まっすぐ育ってくれ。」
兄の発言はさらに謎を深めた
この人達は何を知っているんだ。
ただの不安要素にしかならない父と兄だった
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