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DARKSOULSV〜残り火に惹かれる者〜
第二話
火の無き灰が歩いて行った先には墓所とも言えぬ光景が広がっていた。

そこはまるで、円形広場のような場所。中央には何やら大きな水盆があるし、その近くで、衣服を剥がれた骨か皮かもわからない遺体が寄りかかったりしている。

そんな光景を見て、灰は圧倒される事は無かった。
それ以上に、その水盆に寄りかかっているいくつかの遺体に釘付けになっていた。何故なら。

その中の1つの遺体が服を着て、右手に刃折れの直剣の様なものを持っていたからだ。

もちろん普通の世界の墓所ならこれも死んでいるのだろうと推測できるがこの世界なら違う。
亡者が生きている世界ならば、

「こいつは生きてい...るのか...?」

基本この世界で服を着ている、と言う事は
何者かが仕立てたか、もしくは

遺体から剥ぐか。

それがこの世界ならもちろん行う事は

剥いで確認する。

灰は服を着た遺体に近づき、その首元をつかもうとした。
その時。
遺体は手を地面につき、ゆらりと立ち上がった。
灰はあまり驚かず、半歩ほど下がって様子を見た。
その遺体だった亡者は自身の体を見渡し、右手に刃折れの直剣を見つけ、それを見て灰に斬りかかった。
灰はそれを見切り、

カアァァン。
左手に持っていた盾で直剣を逸らした。
と直後に

右手の騎士の剣を亡者の腹深くに突き刺した。

亡者は即座に逝き、灰は剣から亡者を蹴押し抜いた。

すると、亡者の体から白いモヤモヤしたものが出現し、自分の体に吸い込まれた。
「今のは...亡者の魂か。居場所が無くなって俺の元に...」
灰はこの魂が何の役に立つのかはわからなかった。
わからない事は特に気にしなかった。ただ。
「これ全部か。」
灰は辺りを見回し、ため息をついた。
服を着た亡者が色々なところにいる。
壁に頭を打ち付ける奴や
座り込んで何かに怯える奴や。
攻撃して来ないなら良いのだが。
先ほどの事例があったので、万全を期して

殺しきるしか無かった。

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あきゅろす。
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