小説「寂寥の追憶」
プロローグ
あなたは「死」の意味を考えたことはありますか?
家族の死、仲間の死、親友の死、そして・・・・・・とても大切な人の死。
いつかは訪れる死、それはときとして何の前触れもなく訪れる。あなたは「死」の悲しみを感じたことはありますか?本文を読む前に一度「死」の意味を考えてみて下さい。
ある日、少年は泣いていた。いじめられて泣いているのでもなく、けがをして泣いているのでもない。とても大切な人が、兄が死んでしまったから、泣いているのだ。そして、泣き続けた、泣いていたかった。悲しくて、寂しくて、とにかく泣いていたかった。
次の日、少年の顔から笑顔が消えていた。笑うことを忘れてしまったからだ。笑顔だけではない。感情そのものをなくしてしまったかのように、少年の顔からは、人形のように、何も感じられない。その後、少年に笑顔が、感情が戻ったのは、1年後だった。
[前へ][次へ]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!