BASARA
弐
「佐助さん、幸は学校ではちゃんとやっていますか?」
「幸村?俺なんかと違ってちゃんとやってるから心配しなくっていいって」
「佐助さん…、いつもお願いしていますよね?幸村とは呼ばないでくれと…」
「あ〜、そう…だったね。気をつけるよ」
この人苦手なんだよなぁ…。
なんか堅苦しくって…。
いや、真面目に母親やってくれてるし、家の事も自分でやるし、派手に着飾ったりしてないし…
いいとは思うけど、たま〜に堅苦しく感じんのよ。未だに俺や、亡くなった母親に遠慮してるというかなんていうか…。
「本当、幸はよくやっているから安心してよ」
ほっとした表情になる紗英さん。
あっ…、紗英さんは今目の前にいる母親ね。
後妻なんだ、この人。
母さんとは呼ぶなと言われ、一緒に暮らし始めた時から紗英さんと呼んでいる。
んで、10年たってるのに俺は佐助さん。
ねっ?
堅苦しいでしょ?
「只今、戻りました」
「よっ、おかえりー。早かったじゃん」
「そうか?これでも…」
「幸っ!!」
「はっ…はいっ!」
「いつまでそんな格好でいるのです!!早く着替えてらっしゃいっ!!」
「すみません…。今すぐに着替えて参ります」
すぐに離れへと向かう幸村
[*前へ]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!