BASARA 壱 「佐助!もう帰るのか?」 「たまには早く帰んないとさ…。色々煩いじゃん?」 「そうか…。なら俺も一緒に帰るよ」 「いいって。少しでも外にいた方がいいでしょ?それにほら、政宗達待たせてるんでしょ?」 「だが…」 「はいはい、俺様に遠慮しないのっ!!じゃあ、ゆっくりしていきなね」 学校にいる時の幸村は本当に生き生きしている。楽しそうで、気楽でいられるんだな。 家にいる時は、窮屈そうだからな…、なんて考えてたら家に着いた。 家の門をくぐり、玄関までのんびりと歩き、庭の景色を楽しむ。 日本家屋のこの屋敷で一番好きな所。 だから俺様、庭いじりとか意外に好きなんだよね。 ふと、庭の奥 本邸からかなり離れた所に目をやる。 そこには小さな家屋がある。 いわゆる、離れってやつね。 小さい頃から幸村は、この離れに住んでいる。 俺との距離を離す為に。お前は2番目なんだという事を自覚させる為に幸村の母親がそうさせたんだ。 俺様はそれが凄く嫌だった。 でも、幸村の母親は俺様と幸村の立場というものをはっきりと区別をつけたがっていた。 …いや、今もかな? 玄関に入ると、早速その母親に会った。 「おかえりなさいませ」 「ただいま。」 [*前へ][次へ#] [戻る] |