Dear me, From me
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転校してから暫くが経った。秀也はなかなかクラスになじめなかった。元々内気な性格で人と話すことがあまり得意ではない上に初日の質問攻めにすっかり参っていたこともあって、自分から生徒の輪に入っていく気が起きなかったのだ。他の生徒はというと、沈黙を続ける秀也に次第に興味を示さなくなっていった。
秀也はいつでも一人だった。休み時間は他の生徒と外に出て遊ぶ、ということはせず、教室の隅でじっとしているか図書館に入り浸っては本を手にとる毎日だった。だからといって本が好きかといえばそういうことでもなかった。ただ、他にすることがないからというだけであった。他人がいる場所で他人がいないこの場所は孤独を強調する教室より、関わりを強いる校庭より、秀也にとっては幾分居心地がよかった。 ［*前へ］［次へ#］
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