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Hollow Fung
8
「何だ?」
つぶやいたその瞬間。けたたましい歓声が上がる。人の声だ。それもかなりの数。30、いや、50か。続いて反対側から別の声が上がる。くぐもった感じからしておそらく衛兵だろう。堪えず鳴り響く金属音。同行者だろうか、金切り声がこだまする。立て続けに響いてくる馬の悲鳴。突然の襲撃に驚いたらしい。直後、何かが倒れる音がした。木、違う、前を走っていた馬車か。瞬きをする間もなく刻々と変化する音の渦が私の鼓膜に襲い掛かる。うねりをあげて脳髄まで刺さってくる。あまりの氾濫に思わず耳を塞いだ。

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あきゅろす。
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