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現在無題
カツカツ、と黒板をチョークで叩く独特の硬い音が教室に響き渡る。
クラスの生徒の視線は黒板でもなくソレにチョークを叩く先生でもなく、その隣に居る私へと注がれていた。

「はい、これから皆さんと仲ようする事になります福島ちゃんどす〜」
柔らかい顔立ちと声をした先生が教室内のみんなに私を紹介する。
「福島です、よろしくおねがいしまーす」
ペコリ、と簡単にお辞儀をして挨拶を終らせる。

11月と言う中途半端な時期の転校だけあってクラスのみんなも結構不思議そうな顔をしている。
仲良くできるかな?
出来ると良いな…
「ほな福島ちゃんの席は〜〜……北海道君の隣があいてますさかいソコにしましょうか〜。福島ちゃん、北海道君はあの男の子どすえ」
京都なまりの先生が指指した所には秋の窓際で日向に当たりだるそうにしている男の子が目に入った………なんかすんごくダルそうだ…。
「えっと…北海道君?わたし福島って言うのよろしくね♪」
男の子は物凄く気だるげにこちらを見て
「……ああ」
とてもダルそうに返事をした。
(うっわ……なんか怖いかも……)
そう思いながら隣に座る。ちょっと気になって頬杖をつきながら隣を見るとやっぱりダルそうに北風が吹き始め紅葉が舞う校庭を眺めながら北海道はポツリ、と呟いた


「………あちぃ…」


私は頬杖からずり落ちた。

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