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彼と二年前(前篇)

二年前、ボンゴレと、とあるマフィアの間で小さな抗争があった。
きっかけは些細ない考え方の違いで、同盟を結ぶはずが抗争に代わってしまった。
俺の力不足で一番最悪な事態になるのを防げなかった…。
本来抗争は、ヴァリアーが受け持つはずだった。
でも、ヴァリアーは幹部の反対により出動はおろか、動かすことさえ許されなかったんだ。
その為に戦地には、雲雀さんと獄寺クンの二人が俺の命令で向かってくれる事になった。
この二人のチームの後に山本がむかうはずだった。

だが、その必要もなく抗争は終了したかと思えた。
しかし、全員捕らえたと思っていた敵マフィアの中に未だ体の自由が利くヤツがいたらしく………





古く錆びれた建物の中は敵、味方関係なく血の水たまりが出来ていた。

「ワォ、こんなに早く終わるなんて…。」

そこにトンファーを持ち、コツコツと足音を立てて歩く男の姿。
その背後にはもう一人、

「チッ、何でコイツと…。」

煙草を口に咥え、不機嫌そうに眉根を寄せる男の姿が

「獄寺隼人。早く帰るよ。今から並盛に設置した監視モニターを観察しなきゃいけないんだ。」

「……おい、それ犯罪じゃねーか。」

「何か言った?獄寺隼人。」

生きているからこそ出来るくだらない生産性のないやり取りを交わす。

小さいと思われていたはずの抗争だったが、敵の動員人数が多かったため、死傷者は多く
当然の如く、雲雀も獄寺も死には至らないが深い傷を幾つも負っていた。
ボンゴレにとって少なからず打撃を受けたのは事実だった。

捕らえた敵を部下に見張らせ、暗く血生臭さに溢れた古く錆びれた建物から出ていくのに背を見せたほんの数秒後。
銃声の音と共に大量の血を上半身から溢れ出させ、倒れる獄寺の姿があった。
銃声の音が響くとともに、撃った男は雲雀のトンファーにより気絶を余儀なくされた。

「獄寺隼人。」

雲雀は、獄寺の元に駆け寄り傷口を確認する。
背中から撃たれたにもかかわらず、弾道は左胸を奇麗に貫通している。

「…………」

獄寺の口がもそりと動き、何かを呟く。
だが、周りの混乱の声と救護部隊の到着を未だかと嘆く声に獄寺の声にならない声は、掻き消されそうになっていた。



上手く身体が動かねえ…
こんな時でも横切るのはのアイツの笑顔。







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あきゅろす。
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