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思いと想い

部屋の説明と、制服の採寸。
それらをこなすと、京子は
ツッくんに報告に行ってくるから
と言って、ハルとクロームの元からボンゴレ10代目の執務室へと向かった。

「ハル、今からなんだけど…、恭弥の所…行く?」

ハルに向かいぎこちなく、そして少し居心地悪そうに聞くクロームに対して

「はひ、取り敢えず呼ばれてしまったので噛み殺されるなんてデンジャラスナ事にはなりたくないので伺いたいです。」

少し困った表情のハルの返答で、二人は雲の守護者雲雀恭弥の元へ、向かうこととなった。



「ハル…ここに居る。」

目の前にあるのは、どう見ても

「和室…じゃないですか!?」

「でも、ここに確かにいる。」

どう見てもここは、アジトとは、言い難いその空間に、ありえないと言った様にハルは、目を見開いていた。


「ねぇ、僕のアジトの前で何騒いでんの?群れてるなら噛み殺すよ」

鋭く低い声がハルとクロームの後方、頭の上から降り掛かる。

「はひっ!?」

恐怖の余りゆっくりゆっくりと、首を後ろに傾けるハルの目と、上から見下ろす鋭い雲雀の視線が合った瞬間…

「三浦。」

「は、はひっ。お久しぶりです。雲雀さん」

「………ん。」

ハルは、雲雀の若干不機嫌そうな声音に対し、振り向くまで怯えていたにも関わらず普通に応答していた。
流石天然素材だ。
なんてクロームが思ったのは言わないでおこう。

「はひ?何で雲雀さん浴衣なんですか?」

「……………」

雲雀には、ハルのふとした疑問はどうやらどうでも良いらしい。

「ねぇ、三浦。霧のヤツ(クロームじゃない方)の所に居るのが嫌になったら何時でも僕のチームにおいで。」

「は、はひっ!?」

「きょ、恭弥!!」

どうやら、ハルをクロームは大層気に入っているため渡したくないらしい。
クロームは大きな瞳で雲雀を睨み付ける。だが、そんな事をしたら…クロームちゃんが噛み殺されちゃいます!!
ハルの頭を横切る考え。慌ててクロームを止めにかかるハル。

「クローム、その時は君も来れば?」

雲雀の口から有り得ない一言が零れ、ハルとクロームは呆気にとられていた。

「じゃあ、そう言うことだから。僕は眠いんだ昼寝の邪魔をするのなら…君たち、噛み殺すよ」

の雲雀の言葉で二人は雲雀のアジトを出ていった。
雲雀のアジトを出ていく直前、

「はひ、雲雀さん。もしかしてハルを心配して下さっているんですか?ありがとうございました!!」

「別に。クロームに迷惑がかかるのは困るから。」

「はひーっ、まさに愛です〜!!」

「五月蝿いと噛み殺すよ?」

と言う流れでハルは半ば追い出される形で雲雀のアジトを後にした。





「雲雀さん、随分と角がとれましたね。」

「うん。」

先程の雲雀の思いもしない突拍子もない科白に未だに呆気にとられるクロームは、ハルの言葉に頷くだけだった。

「さ、クロームちゃん早く京子ちゃんの所に戻りましょう?」

「うん。ハル…辛くなったら何時でも言って?」

「はひっ?まだまだ大丈夫ですよ!!ハルは何時でも元気一杯のハッピーガールですから!!ノープログレムですっ。」

そうハルは言った後に、
クロームちゃんと京子ちゃん、それに雲雀さんに山本さん、ツナさんも。
皆が支えてくれてますからハルは元気で居られます!!
そう言って、ハルは微笑みをクロームに向けるのだった。

廊下の曲がり角にある一人の男が佇んでいるのを知らずに。






ねぇ、貴女はその笑顔の裏に
どれ程の痛みを隠して生きるの?



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あきゅろす。
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