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▽本棚
妖花〜乱れ咲く桔梗〜(*ちとたち)


(官能)作家千歳と嫁の桔平(黒髪)の話。
千歳も桔平もらしくないけど、そこは妄想でカバーしてください。

――――――――


今日は朝から天気もよく、窓の障子の向こうから鳥の鳴く声がよく聞こえた。
こんな日は、のんびりと散歩に行ったり縁側で昼寝をしたら最高に気持ちがいいのだろうが
あいにく私は書斎に篭もり、原稿の執筆に励んでいる。
ちなみに、締切は明日である。
先ほどまでは筆が進んでいたものの、めっきり話の続きが浮かばず悩んでいると
部屋のふすまの向こうから廊下を歩く足音が聞こえてきた。


「旦那様、お茶が入りましたよ」
「ああ・・・」

桔平は部屋の中に入るとふすまの前にきちんと正座をし、静かに閉めて私の方に顔を向けて
優しく微笑んだ。
短く刈り込んだ髪が肌の白さを際立たせている。
今日も藍染の着物がよく似合っている。
ああ、触りたい。

「こっちに来んね、桔平」
「・・・はい」

湯呑をのせた盆を持った桔平が、私の傍まで来る。

「随分とぐったりして・・・大丈夫ですか?」
「ん〜・・・煮詰まっとうけんね。お茶飲むんも億劫ばい
桔平、飲ませて?」

「しょうがないな・・・はい、どうぞ」
湯呑の口を唇に押し当てられる。あまりの熱さに驚いて声を上げた。
「あっつつ!そうじゃなかぁ〜!」
「じゃあどうすればいいんですか?」
「桔平がふぅふぅして、飲ませてくれん?口移しで」

一瞬目が大きく見開かれたと思うと、目を伏せて俺の湯呑に唇を近づけた。
ふぅふぅ・・・と桔平の息で湯呑からたつ湯気が揺れる。
頬が赤いのはお茶の熱のせいではないはずだ。

お茶をひと口含むと湯呑を机に置き、私の肩へ腕を回し引き寄せられる。
ためらいがちに唇が重なる。
桔平の薄い唇からお茶の渋みと熱が私の口へと流れ込んでくる。

「ん・・・うまかね」
「・・・それは、よかったです」
「もうちっとだけ・・・」

桔平の肩を掴んでまた唇を重ねる。
重ねただけの接吻は徐々に深いものに変わる。
まだお茶の熱が残る桔平の腔内にゆったりと舌を這わせる。

「んっ、」

舌先で桔平の舌に触れると短く吐息を漏らす。
そのままゆっくり畳に押し倒し、着物の合わせから手を入れる。
びくりと身体を反応させ、抵抗するように重なった私の体を押し返す。

「はぁ・・・旦那さま、いけませんっ・・・」
「ん?よかよか。一服すったい」
「で、も締め切りが、ひっ!・・・ああっ」

熱を持ってとろとろに溶け始めた桔平の中心を手で扱いてやると、
べっ甲色の瞳の上に涙の膜が揺れる。
必死に顔を見られまいと腕で隠す姿がとても愛らしいが
それと同時にそそられる。

「もっ・・・や、め・・・あっ!」

快感に酔いしれ、桔平が達する直前で手を止めた。

「・・・さて、一服は終わりばい」
「えっ・・・」
「だって、桔平がやめてっち言うたから」
桔平の上から退き、何事もなかったように机の前に座る。

ちらりと桔平の方を見ると、まだ少し荒い息を吐きながら乱れた着物を
整えている。
部屋を出ようと立ち上がろうとする桔平を私は呼び止めた。

「桔平、続きしたい?」
「ん・・・はい」
「でも、原稿があるけんねぇ・・・」
「旦那・・・さま」

甘い声と吐息で呼ばれ、そっと私の膝に桔平の手が伸びる。
それは、太腿を通過し中心へと上っていく。
少し堅くなり高ぶりを見せるそれをいじらしく撫で、桔平の妖艶な瞳が私を見上げる。

ため息をひとつついて、私は足をくずして
帯を解き、着物の前を少しずらす。すると桔平は私の高ぶりに顔を寄せ、濡れた先を口に含む。


「んぅ…ふ…」

手や舌を上手に使って、奉仕をしてくれる。舌先でぐりぐりと先端をしつこく刺激されれば、私の口からも喘ぎにも似た声が情けなく漏れる。

「あっ…はぁ……きもちい、きっぺ」

充分な硬さを得たのを確認して桔平が、口を離す。

「だんなさま…」

桔平は性急に自分の帯を解き、着物の前を大胆に広げて私にすがりついてくる。


「はやく…触って、お願い……」

「ん、可愛がってやっけん」

「あ…んんっ!」

すでに張り詰めていた先を少し引っ掻いただけで、全身を震わせて大量の白濁を吐き出す。


生理的な涙をこぼす桔平の唇をあやすようについばみ、なだめながらそっと後孔をなぞると ひくん、とそこは誘うように動く。
指の先を濡らすように舐めてからゆっくりとそこを解きほぐしていく。

「やめっ…ああ!」

「…やめっと?」

「や…めないで…」

畳の上で仰向けになった桔平の上に重なり、後孔に挿入していく。

それから2人して発情した獣のように、
互いを求め合い何度も欲望の熱を絡め合う。

「桔平は、ほんなこつ…
やぁらしかお嫁さんばい、ね」

「あっ、ん、…ん!」

「ここ、桔平のよかトコ?
声も目も、とろけとうね…」

「ひ、ああっ」

私の下で仰け反り、悲鳴にも似た嬌声をあげる体を強く抱き締め、中に熱を放つと同時に桔平も体を痙攣させ果てた。



******



「……確かに受け取りました」

締め切り日の昼頃、原稿を受け取りに来た担当の木手と話をしながら私は大きなあくびをした。

「寝不足ですか?
…まあ、貴方のことだから締切前日に徹夜で仕上げたんでしょう?」


「ん〜…そうたいね。嫁さんの相手もしとったけん。もちろん、その原稿以上に可愛がってやったとよ」


「はいはい、それでは私は失礼いたしますね」




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以前、c氏とすかいぷで盛り上がった妄想話から文章におこしました。

「旦那様呼びの黒髪桔平が色っぽい」
「千歳は嫁との性活を小説として売って
儲けている」
「いけません、旦那様!」っていう桔平を
想像するだけで抜ける大丸。

その他色々出て来ましたが、
とにかく黒髪桔平が淫乱という結果に至ったわけです(確か)

ちなみにこのいかにもな題名は
千歳が実際に出している本の名前ということに
なっています。


閲覧ありがとうございました。

20130114 奥谷






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