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▽本棚
ココロ(*ちとたち)

大学生くらいで、同棲中。
(薄暗くえろ)










千歳と暮らし始めてから、
時々、心の中が薄暗く重たい不安や恐怖で
埋め尽くされることがある。

それは、千歳に怪我をさせてから
しばらく悩まされた症状に似ていた。




………




大学に入ってからというもの
バイトやサークル活動なんかで忙しい日々を過ごし、お互いに帰る時間や家にいる時間がバラバラですれ違いが多くなった。



俺は、生活費を稼ぐために居酒屋でバイトをしていて、帰りも深夜2時を過ぎるなんて当たり前だった。




「ただいま…」


ドアの鍵を開け、狭い玄関の電気を点ける。部屋の中は暗く静かだったので、同居人はもう寝たのだろう。


あまり音を立てないように、静かに寝室へ向かう。


その時、台所でうずくまる何かを見つけた。

「きっ…ぺぇ?」


パチリと電気を点けると、肩で荒い呼吸をしている桔平がいた。

俺は驚いて駆け寄り、桔平の体を揺すった。



「桔平、どげんしたと!しっかりせんね!」

「は…うっ……ちとせ」




苦しそうに息を吐く桔平の顔は涙でぐちゃぐちゃだった。

何か吐き出した後なのか、口元から顎にかけても濡れていた。



「桔平、どっか痛か?気分が悪かとや?」



俺の問いかけに首を横に振り、すがりつくように抱きついてくる桔平の背中をひたすらさすってやった。



「ちとせ…ちとせぇ……うっ…」


「うん、もう大丈夫ばい。桔平」




しばらく抱き合っていると先ほどまで、あんなに荒かった桔平の呼吸も落ち着き、涙も止まったようだった。



なんとか話せるくらいまで落ち着き、桔平は顔を洗ってくると言って洗面所へ行った。


俺は寝室に行き、寝間着に着替えようと服を脱ぎ、上半身裸になっていると



「ちとせ」


洗面所から戻ってきた桔平に後ろから抱きしめられた。


「桔平、もう平気と…」

「抱け」

「ヘ?」

「頼むから、今すぐ俺を抱いてくれ」

「そげんこつ言われても、桔平具合悪か」

「いいから、早く…」


苦しげな声に振り向くと、桔平の唇で口をふさがれる。


すぐに舌を入れられ、絡めてくる。
桔平からこんなキスをされるのは、初めてかもしれない。


「んっ…ふぁ……」


唇が離れると性急にベッドに押し倒されて、
桔平が俺のジーンズの前をひろげる。


「桔平!!待っ…うぁっ」



半ば乱暴に俺のを取り出すと、それを口に含み、扱き始める。



「いっ…きっぺ、やめ、うっ…あぁッ」



絶えず押し寄せる快感の波。
付き合いの長い桔平は、俺が気持ちよくなる所を熟知しているのだろう。
的確に刺激され、だらしない声を上げてしまう。


抵抗する気が薄れていく。


質量が増し、固くなったのを確認すると、
口元に溢れた唾液を拭き取りもせず、腰の辺りに跨がった桔平は、当に下着ごと脱ぎ去っていた。



「ちとせ…好き、好きばい」



甘い声で囁きながら、桔平は俺のと自分のをこすり合わせて腰を揺する。



「んっ…ちとせ…きもち、よか?」

「は…ん、きもちよか、よ…」



桔平が動く度、ぐちゅぐちゅといやらしい音を立てる。
恍惚とした表情で俺を見下ろす顔に、そっと指を差し出すと赤い舌で舐めてから咥えてくれる。

「もっと、ちゃんと濡らして…桔平」


吐かない程度に指を奥まで入れると、舌に指を押し返される。


「桔平、腰…浮かせ」



言われるがままに、桔平は腰を浮かせた。

口から引き抜き、唾液に十分に濡れた指を後孔に這わせて沈める。


「んぁ!や、ちとせ…」


腰の動きが止まり、ビクリと体がしなるように仰け反った。


「いやじゃなかろ?吸い付いてくったい、
やらしか穴ばいね」


少しずつ指を増やし解していくと、気持ちいいのか、いつの間にか桔平のは腹につくほど立ち上がっていた。



「は、ああっちとせ、もう…」


「ほら、自分で入れてみなっせ桔平」


桔平の腰を掴んで後孔に俺のを宛てがうと、あとは自分で、腰を下ろして飲み込んでいく。



「あ、あああっ…」


かすかに収縮しながら、一気に根本まで腰をおろす。


「ん、桔平ん中、熱くて気持ちよかね…」



バイト疲れのせいで、すぐにでも達してしまいそうだったが、もう少しこの淫らで積極的な恋人の姿を見ていたくて、俺は耐えた。


「動いて…桔平」


俺の言葉にこくりと頷き、ゆっくりと腰を揺すり始める。


「あっあっ、んん…」


自分の一番良い場所を探り当てて、そこに俺のを宛てて気持ちよさそうに喘ぐ。



それが可愛いような憎たらしいような…
桔平の服越しに見える二つの突起を指の腹で摘み上げると、悲鳴のような声を上げ、きゅうっと締め付けられる。

面白いスイッチを見つけた。


「んんっ、きっぺ締めすぎ」


お仕置きのつもりで、少しきつめにつねってやる。


「や、あっやめ、ろ…ちとせ!」


咎めるような声をあげるその目は、もっとと強請るように潤んでいる。



「きっぺ、愛しとうよ…」


桔平の腰を掴んで激しく突き上げる。
俺の上で揺さぶられて喘いでる。


桔平の先端から白い液が溢れ、俺の腹の上にポタポタと垂れていく。



「千歳、もっ…んんッ!」



2人ほぼ同時に達して、俺は桔平の中に熱をぶちまけた。












事が済んだベッドの上で、ろくに服も着ず2人で横になる。

俺の腕を枕にして、ぴったりとくっ付いて眠るつもりなんだろう。



「千歳」

「んー?」

「すまんな…その、無理やり…
お前疲れてるのに」

「よかよか、最近忙しくてご無沙汰だったけんね。積極的な桔平、むぞらしかったばい」

普段なら絶対殴られるような台詞を言ったのに、桔平は眠たいのか、イマイチ焦点の合わない目で俺を見つめている。


「明日も学校あるけん、寝るばい」


頭をそっと撫でてやると、桔平はゆっくり目を閉じ眠りについた。


おやすみ。








……………
2012,7,29

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