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短編小説(オリジナル)
3

夢心地のような感覚の中で、急に奉条の手が離された。

「…ッ、は、ッ…、がはッ…」

一瞬、呼吸の仕方がわからなくなる。
酸素を吸い込もうと身体が勝手に大きく息を吸い込む。
その最中にも奉条は深く口付ける。
それが邪魔で呼吸がしづらくて、噛み付くような激しいキスになっていた。


「い…、や…、っ」

逃げても逃げてもしつこく口付けてくる奉条を僕は振り切っていた。
僕が暴れたせいで体内から奉条のものが抜け、なんとかして逃げようと四つんばいになったところで強引に腰を引き寄せられる。

「逃げるな」

後ろからグッと奉条のものが挿し込まれる。
僕の背中は自然とゾクゾクと反り返る。

「いあ…ッ、嫌、も、嫌…っ」

生理的な涙と同時にぼろぼろと大粒の涙が零れだした。

「手を抜くな、私は客だ」

「アアアッ…、あッ…」

奉条のものが奥へ奥へと挿入される。
次第に前後に激しく揺さぶられた。

「あッ、アッ、アッ…あ、イく…イク……ッ」

前立腺がダイレクトに責められ、僕は涙を流しながらぶるぶると身体を震わせた。
すると、首元にスルリ、とネクタイが巻かれる。
案の定、それは僕の気管を締め付けた。

「ン゛……ッ…ん…」

苦しくてぼんやりした頃を見計らって奉条はそのネクタイを緩ませる。
緩ませるのと同時に突き上げながら僕の自身を擦りあげ絶頂を迎えさせるため、天国にいったかのような感覚に陥る。

「ハッ、はぁ、ッ……アッ、ん、ああ、っ、死ぬ、死んじゃう、死んじゃうよぉ…」

僕はボロボロに泣きながら、腕の力も無くしシーツの上に崩れ落ちる。
後孔からは奉条の液が零れ、太ももを伝って垂れ落ちた。
奉条が僕の両胸の突起をキュッと摘むと、奉条のものがますます締め付けられた。

「いや、…むね…、いやぁ、…アアア、ん」

「どうした?こうされるのも好きなのか?」

「…、すき、すき…アアア、ああッ」

奉条は僕の腰に腕を回すと、そのまま自分の座った上に僕を乗せるような体勢にした。
繋がった部分がグッと奥に入り、ちょうど前立腺に当たるため、僕は自然と腰を振ってしまう。

「ア、ア、あっあ、ア…」





訳分かんないくらいに乱れて、空になるまでイかされて、何度も死の境を見せられて、僕はいつ意識を失ったのかも覚えていなかった。

目が覚めると、何も身に着けぬまま仰向けに寝かされた僕を奉条が横に腰掛け髪を梳きながら見つめていた。

僕は一瞬目を合わせて、不機嫌にすぐ逸らした。

「…首絞められないとイけない身体になっちゃったらどうしてくれる訳?」

「キミは私が買う、一生分」

逸らした目線を奉条の元に戻す。
満足そうな顔に腹が立って、僕は客だったことも忘れて呆れたように放った。


「…勝手にすれば」

「本性出たな」

「お前みたいな変態物好きにいちいち商売出来るかよ…」

「その変態物好きがこれからキミのご主人様になるんだぞ」

「めんどくさ…」

「強気な性格のキミの方が壊しがいがある、これからよろしく」


奉条が僕の頬に触れ、唇を重ねてきた。
ねっとりとしたキスを交わしながら、僕はいつかコイツに締め返してやろうと脳内で計画していたのだった。















end.

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