短編小説(オリジナル)
4
僕は抑えきれない怒りに大きく息を吸い込む。
「…わかんないよ!!僕と奈津は違うもん!!!お父さんだって奈津のことばっかり…!そんなに奈津が好きなら奈津と結婚すればいいだろ!僕には奈津みたいに優しくしたことないくせに!何が双子だ!お父さんは奈津のことしか考えてない!お父さんは僕が嫌いなんだ!!……この間の夜中だって自分の部屋で奈津にちゅってして奈津奈津奈津〜って馬鹿みたい!!……あ」
僕は勢い余ってつい口を滑らせてしまった。
しまったという僕の顔をお父さんの変わらない表情で見下ろしてくる。
沈黙が長く感じ、空気が重苦しい。
「…そうか、わかった」
お父さんは低い声でそう言うと僕の襟を掴んだまま歩き出す。
グッと引っ張られるままに僕はお父さんの後ろをふらふらとした足取りで着いて行く。
そしてお父さんは自分の寝室のドアを開け、迷わずベッドに向かうと僕をそこに放るように離し、僕の上に馬乗りになった。
「利津、お前が見たのはこうしてた時のだな?」
今にも食べられてしまいそうなその体勢に僕は恐怖を感じ、涙目になりながら必死に体をよじり逃げ出そうと試みる。
だけど、お父さんは逃げようとした僕の両手を掴むと自らのネクタイを解き、ギュッと僕の手を束ねてしまった。その束ねた手がベッドの柵に繋がれて固定される。
「ひっ、いや…何…お父さん……」
「考えてみれば、利津が奈津に冷たくしだしたのはその日くらいからだったもんな、利津がそんな風に思っているのならこうする他ない」
「い、いやだ、んっ、んんっ」
強引に唇が塞がれ、バリバリッという音を立てて洋服のボタンが床に飛び散った。
舌を吸われ、口内でお父さんの舌が生き物のように動き回る。ちゅっちゅっという音と一緒にどんどんと頭の中がぼーっとしだす。
「んー、んっ…っんー…」
乱暴にズボンと下着が足から抜かれ、床に放り投げられる。
お父さんは口内を貪りながら、僕の膝の裏を持ち、グッと胸につくぐらいに押して足を開く。
「んっん、…やっやだ、やっ」
最後に口内の唾液を吸い取るかのように、吸い付いて唇を離すと、そのまま顔を下げ、中心部分を口の中に収めてしまった。
「あっ、や、…いやだぁ…きもちわるい…、んっ」
唾液と一緒にぬるぬると中心を口内でくすぐられる。
根元からすっぽりと収まってしまうそこをお父さんは唇で強く挟んだり、強く吸ったりする。
慣れない刺激がすぐに快感へとなる。
「くち…離して、いや、でちゃう…れちゃ、う…」
足はグッと押さえつけられたままで動くことが出来ず、唯一自由な首をブンブンと左右に振る。
舌先でグリグリと先端を擦られる。
「うあ、あっいやっ、あああああっ…」
ビクンッと腰が跳ね、僕はお父さんの口内に放出してしまった。
放った瞬間に強く先端を吸い上げられる。
放ち終わると、再び責め立てられる。
「も…奈津…に、いじわる…しな…か、らぁ…っ」
気付けばボロボロと涙を流していた。
お父さんは奈津にこんなことしていなかった。
今のお父さんはただ、怖い。
「も、…くち…離してぇ…っ、うっ…」
お父さんは無視して自身を唇で強く挟むと、上下に擦った。
「いやぁ…いや…っやだ…やだ…っ」
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