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短編小説(オリジナル)
1 リクエスト/敬語責め/玩具/媚薬/尿道



「いい加減にしなさい」


怒声と共に破裂するような高い音が扉の向こうで響く。
きっと頬を打たれたのだろう。
長い廊下はしんと静まり返っていて、執事は1人、ご主人様であるこの屋敷の1人息子、理久を待つ。

愛故に厳しく育てられてはいるが、理久はまだ幼さが抜けていない少年。
内心、あの儚げな身体が圧力で折れてしまうのではないかと執事は心配でならなかった。


…パタン。


扉が開き、小さな主人が私の前までゆっくり向かってくる。
下を向いた顔を覗くように私はしゃがみ、赤くなった頬を優しく撫でる。

「今日は泣かなかったのですか、偉いですね」

そう言うと、理久は顔を上げることなくぎゅっと首に巻き付き肩に顔を埋める。
執事はその震えた小さな身体を優しく包み、頭を撫でた。
グスッという鼻をすする音は聞こえないふりをして。






―――


「父さんの知り合いは変な奴ばっかり」

執事が理久を抱きかかえたまま部屋につき、ベットの上に腰掛ける。
しばらくして理久は少し落ち着いたのか、小さな声でそう言うと口を尖らせる。
「変な、奴…ですか?」

「そう、みんな嫌い」

ぎゅっと首に巻きついていた手が離れ、理久は少し赤くなった目で下から執事を見上げる。
その潤んだ瞳が執事の瞳を捕らえ離さない。
それは執事の背筋をゾクッとさせた。


「私のことも…、嫌いですか?」



まだ少し濡れている目じりを親指で拭いながら執事は小首を傾げる。
理久は少し顔を赤くするともう一度首に巻きついた。

「嫌いだったら、こんなにぎゅってしないよ」

「理久様…」

執事は理久を抱きしめ返し、今日はいつになく温かく柔らかい、その身体を包み込む。
自分がこの少年に仕える者として、ではなく、いつからか理久は執事にとって愛しい存在になっていた。
今すぐにでも、力ずくでも、手に入れたい。

けれど、それは許されない。

(こんなに、近くにいるのに…)


「理久様、今日は疲れたでしょう…、もうお休みになって下さい」

執事は理久を抱きかかえ、ゆっくりとベットに寝かせる。
だけど、首に巻きついた理久の腕は離れずにそのままだ。

「理久様…?」

「…んっ」
必然的に耳元で呼びかけると、理久の身体はピクリと動く。
執事は、「まさか…」と呟くと理久の足を左右に割り、手を当てる。
小さいながらに確かに膨らんだそこを確認すると、首に巻きついた腕を無理やり解き、逸らされた理久の顔を自分の方に向けさせる。

「理久様、何があったのですか?」

「見るな、何でも…ないっ」

再び涙を浮かべ、理久は手で膨らんだ場所を隠すと身体をひねり、首を左右に振る。
顔は赤く、息も荒い。
何もないはずがない。

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