短編小説(オリジナル) 3 「や、やあっ…」 舌で転がされ、キュッと噛まれ、吸われる。 鈍い快感が全身を駆け巡る。 「ほら、動かないで…」 先生は耳元で優しく囁くと、僕の上体を起こし、両腕を後ろで1つに拘束する。 手が使えなくなってしまった僕は先生にもたれかかる。 ギュッと抱きしめられたかと思うと、先生の指が背骨をなぞり、後孔にたどり着く。 「や、っ、先生…だから、…」 「恭一くんの気持ちが知りたい」 「え…っ…?」 「恭一くんは先生のこと好き?」 「……っ…」 何も言えずに視線を逸らすと先生の指がグッと入り込む。 「あっ、や…」 「恭一くん、言うまで容赦しないよ」 「やあっ…あああ」 先生は指を唾液で濡らし、再び後孔へ押し込んだ。 グリグリと中を擦られ、前立腺を突かれる。 「ひっ、やあっあああ」 ビクビクと背筋が震えると、先生は指を引き抜いた。 そして、ガサガサといびつな形をした玩具を取り出すと、それを僕の中に挿し込んだ。 「うっ…や、やだ…あ…先生…っ」 「言ったでしょ、容赦しないから」 カチッとスイッチの入る音がすると、その玩具は強烈な振動をしだす。 「あっ、やだ、やっああっああああ」 強い刺激に耐えられず、腰がガクガクと震えだす。 こんなことされるのは初めてで、僕はどうしていいか分からず、首を左右に振る。 「どうしたの?恭一くん?」 「だめっ…だめ、先生…も、う…」 「あなたー、いるの?」 コンコンとドアをノックする音で、ふと我に返る。 こんな姿、奥さんに見られたら、元も子もない。 「ああ、いるよ」 先生は奥さんにそう返すと、僕を抱えて、ソファーの後ろに優しくおろした。 もちろん後ろ手でひとつにされているし、後孔に収まったスイッチの入った玩具もそのまま。 確かにソファーの後ろなら奥さんの位置からは見えないけど、危険すぎる。 「んっ…っ…」 必死に声を抑えながら僕は耐える。 先生はドアを開け、奥さんと何やら会話をしているようだが、何一つ聞こえない。 こんなはずじゃなかったのに。 先生にわかって欲しかっただけなのに。 先生のこと大好きなのに。 大好きだからこのままじゃいけないと思ったのに。 「…っ…ぅ…」 気付いたら僕の目からはポロポロと涙が零れていた。 「あ、そういえば、ソファーの後ろに、荷物置いてあるの」 奥さんの声がかすかに耳に入る。 ソファーの後ろ…? ドキッと心臓が鳴る。 こうしている間にも足音が近づく。 (どうしよう、バレる…!) ギュッと目を瞑り、身体を小さく丸めた。 足音が目の前で止まり、紙袋を持ち上げる。 「荷物ってコレ?」 「そうそう、それ!」 静かに目を開けると、目の前には先生の姿があった。 安心して、再び涙が零れてくる。 先生はしゃがみこむと、指で涙をすくって僕の目を見つめる。 「あなたー、どうしたの?」 「いや、なんでもない」 先生は立ち上がると奥さんの元に行き、紙袋を渡した。 そして、パタンとドアの閉まる音。 近づいて来る足音が目の前で終わり、ゆっくり見上げると先生は床に転がった僕を見下ろしていた。 「ひっ…う…っ…」 「恭一くん、どうして泣くの」 [*前へ][次へ#] |