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短編小説(オリジナル)
2

「…や、やだ、やだ…っ、嫌ッ」

嫌な予感がして僕は先生の手を振りほどこうと必死にもがく。
違う、こんなの先生じゃない。

「…離してっ、離してくださいっ」

包み込まれるかのように抱きしめられている身体は全く解放してもらえない。
先生は何も言わず、ただ力強く僕を捕らえて離さない。
僕は、とてつもない恐怖に駆られ、気がつくとぶるぶると身体が震えていた。

「…ん?もう抵抗しないの?」

しばらくすると、がたがたと震える僕を捕らえる手がゆっくりとゆるめられる。
そして先生は僕の肩を掴んで向かい合わせにさせた。

「いいこだね」

カチャン、と音がして、両手首に冷たい感触がした。

「もっといいこになろうね」

目線を少し下げると、先生の手には注射器が握られていた。
にっこりと笑う先生を見て、僕は恐怖で膝が立たなくなり、その場に尻もちをついていた。

「嫌だ…や、先生、ほんと、に…やだ…」

もうすでに何かされたのではないかというくらいに身体は言うことを聞かなかった。
更に手錠で拘束された両手じゃ、何も出来ない。
じりじりと力の抜けた身体で先生から後ずさる。

「ごめんなさい、ごめんなさい、先生…、ゆるして…」

「許す?何を?由希くんが先生を好きなこと?」

先生は逃げたくても逃げられない僕の手を掴み、そのまま仰向けに押さえつけられる。
上に先生が覆いかぶさった状態になり、中途半端に脱がされていたズボンが下着ごと下ろされた。

「ひいっ、あっ…やだ、やだぁ…」

片足に下着とズボンが引っかかったまま、足が開かれてその間に先生が割り入る。

「さあ、いいこにしようね」

僕の手を掴んでいる力がぐっと強まり、僕の腕に注射器が当てられた。

「…い゛…っいやああ、やだ、ああ゛アア」

危険と感じた身体が最後の抵抗と、僕の足をバタバタとさせた。
ぷつりと針が皮膚を抜けて、体内に薬が侵入する。

「痛い痛いッ、いや、あああ゛」

泣き叫ぶ僕のこともお構いなしに、注射器に入っていた液体は全て僕の身体に移された。
先生は空になった注射器をポケットにしまうと、なだめるようにキスをした。

「んん、ンッ、ふぅ」

舌が絡められ、歯列をなぞられる。
初めての感覚に戸惑う暇もなく、深く貪られる。
もう嫌だと首を振っても、しつこくキスをされ、頭が段々ぼーっとしてきた時だった。

「ンッ、あっ」

びくん、と身体が跳ねるような衝撃が身体を襲った。
先生は唇を離すと、僕のシャツを開いて首から臍までゆっくりと指でなぞった。

「は、アッ、ああ、ああああアア」

それだけで僕は何ともいえない感覚に身体を反らす。

「や、っ…な、なに、これ…」

恐怖を勝る感情に戸惑いつつも、僕は先生に目で訴える。
じり、と身体を動かすと自身が先生の服に掠る。

「ひゃ、ンッ」

その瞬間、ビクンと身体が跳ねる。
興奮した自身は触ったらすぐにでも達してしまうような状態だった。

「あ、やだ…や、こんなの、やだ…」

「大丈夫、由希くん」

再び目に涙を浮かべた僕に、先生は優しく囁いた。

「これはね、怖いお薬じゃないよ、由希くんが先生の言うことをいいこに聞けたら、すぐいつもの由希くんに戻れるから」

ね?と先生は軽く唇にキスを落とした。
そしてそのまま、その唇は首、鎖骨と下がっていき、胸の中心を挟み吸い上げた。


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あきゅろす。
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