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短編小説(オリジナル)
2

「ひっ、ッ」

だるい手を動かして布団をめくってみれば、案の定、僕の自身は吸血鬼が美味しそうに咥えていた。

「もう朝か…眩しいな」

「てめぇ…」

男は唇を舐めながらそう言うと、おそらく寝ている間にも弄られていただろう後孔にぐりぐりと指を入れ、内壁を擦る。

「ば、かっ、やだ…」

「そろそろ可愛くおねだりとか覚えたらどうだ?」

「……くそ、死…ねッ」

男の唾液は媚薬のように僕の自身を熱くさせて、絡めば絡むほど抵抗が出来なくなる。
きっと身体が男の精を欲しがっている証拠だが、僕は絶対にそれを言わない。

「ふ、んっ、んぅ」

「おい、エサ、ここは素直にキュウキュウ締め付けながら指を食べてるぞ」

男の指がぐりゅっと奥を抉る。
ビクビクと素直に反応するのは僕の自身だけで、僕は手の甲で強く口を塞いで、ブンブンと首を振る。

実のところは溶けそうなくらいに快感が襲ってきている。
でもムカつくから言ってやらない。

「エサのくせに、学習しないな…」

先端をくすぐるように舌が這ったかと思えば、中を直接吸い出すかのように刺激される。

「や、吸うな、でる、んっんっ…」

熱い液が自身を勢いよく通り抜ける衝撃で、ビクビクと身体が震える。
自身を包み込む男の唇がやけに柔らかくてムカついてくる。

「ふ、んっ、んぅあ」

最後の一滴までちゅうっと吸い付かれ、後孔はさっきからずっと指が出し入れされている。
強い刺激に内腿で男の頭を強く挟んだ。

「なんだ?」

ゼェハァと荒い呼吸を繰り返す僕に頭を内腿で挟まれたまま男はニヤリと笑う。

「まだ吸われ足りないってことか?」

ピクピクと震える先端を男のざらっとした舌が舐めあげる。

「やっ、あっ、ちげ…っよ」

「お前が足りないっていうならいくらでも吸い出してやるぞ、俺が足りないくらいだからな」

根元からねっとりと舌で愛撫される。
口から勝手に嬌声があがり、僕は口を押さえながら力が抜けてゆっくりと足を開いてしまう。

「違…うッ」

違うのに身体は全く逆の反応を示す。
男の愛撫に喜び、熱を待っている。

「それじゃ、俺の、イラナイ?」

挑発するようにゆるゆると蕾が男の舌に撫でられる。
こじ開けるかのように男が舌を差し込むと、一緒に唾液が流れ込む。

「ふ、んぅッ」

「俺しかお前のこんな姿知らないんだ、もっと可愛くしろって」

そしたら今以上に可愛がってやるのに、と付け加えると蕾をゆっくり開くように舌がふちをなぞる。

「は、ァ、んっ」

ゾクゾクと震え、内壁を舐められるともっと奥がじん、と熱を持つような変な感覚に陥る。
(早く、前みたいに勝手に入れろよ…)
もどかしくさえ思う。
男はわかっているのか、わかっていないのか、ゆっくり焦らすようにソコを執拗に舐める。

「も、ッやめ、…ろ…」


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