紅の女神 ◇◇◇ 父さまは、私が十六になったらだとか、歳に関係なく、本当は産まれてすぐに連れていかれるはずだったという。 母さまはそれが嫌で、自らの命を捧げ、私をお護りくださった。 なぜ、母さまが亡くならなければならないのか理解できない。 しかし、それは"代償"なのだそうだ。 決して母さまのしたことは間違いではなかった そう父さまはおっしゃったけれど、その時の父さまの顔を見て、私は何も言えなくなった。 きっと、母さまのもとへいきたいに違いない。 けれど、長である以上、この場からいなくなるわけにはいかない。 それ以上に母さまのためにいけないのかもしれない。 [*前へ][次へ#] [戻る] |