CHANGE
7
(どうしたらいいんだ?)
泣きながら抱き着いてくる谷山。
まさかここまで取り乱されるとは思わなかった。
(あの2人もだが、俺なんかの何がいいんだ?)
あいつらだったら寄ってくる奴なんて沢山いるだろうに。
こいつも例外じゃないが…
「はぁ…」
俺の溜息にビクッと震えたのが伝わってくる。
「谷山離れろ」
「…グズ…嫌だ」
「わかったよ。一緒にいてもいいから、今は離れろ」
「ふぇ?…ホント?」
関わるなと言っておいて随分甘いと思う。
(大丈夫だ)
こいつに踏み込まれないよう俺が一定の距離を保てばいい。
ホントに危険分子だとわかったら、その時は切り捨てればいい。
(俺も大概最低な奴だな)
嬉しそうな笑顔に罪悪感を感じたのはきっと気のせいだ。
「あぁ、だから一旦離れ…」
「ありがとう!!」
「うッ…」
(く、苦しい)
可愛い顔しててもやはり男。そんなに力いっぱい締められたら辛い。
しかし、そう思いながらも引き離すことはしなかった。
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