CSNW(学パロ/佐助) 「ねぇなんかコスプレしたくない?」 「え、急に何言い出すの名前ちゃん…」 今は家庭科の授業でエプロンを作っている。見た目は酷いけど着れるから大丈夫。今は買えばどうにかなる時代でしょ?作り出す必要なんてないのよ。 「ねぇ佐助ーなんかコスチューム的なカッコいい服作ってよー」 「何で名前ちゃんは俺様にそんな無理な注文を…」 「だって佐助裁縫めっちゃ上手いじゃん!何このエプロン!?売る気?売って金に変えようって言うの!?」 「変わるなら食費に当てないとなー」 「変えるんなら私のエプロンと変えなさいよ!」 「それは駄目。俺様成績落としたくないもん」 最近の日本男児は女より手先が器用になってやがる…。だから女の尻に敷かれるような、なよなよした男が増えるのよ!この乙男集団が!! 「じゃあ代わりになんかコスチューム作ってよ」 「何その交換条件。しかも、そんな急に言われても無理だってば」 「じゃあどうやってコスプレすればいいのよ!」 「………なんでコスプレしたいわけ?」 「ん?ただの思い付きよ。私は思い立ったらすぐ行動がモットーだからね」 「アハー初めて聞いたよそんなモットー」 「う、うるさいわね!佐助は私の猫耳メイド服姿見たくないの!?」 「えー……見たい、かも…」 お?あの佐助がに食い付いたぞ。ちょっとニヤニヤしてるあたりは…見なかったことにしよう。うん、私は見てない見てない。何も見てない。 「じゃあさ、思い付いたんだけど演劇部の衣装借りようよ。そしたら色んな種類の服着れるじゃん♪」 「おお!佐助にしてはいいアイディアじゃない!」 「"佐助にしては"は余計だよ名前ちゃん」 「ゴメンゴメン。演劇部かぁ…(誰か知り合いいたっけ?)」 私、演劇部に知り合いなんていなかったと思う。佐助の知り合いなら、何か凄い迷惑な気もするし…。せめて佐助の知り合いで、私も知ってる演劇部の人…が、いないわけか。何か友達少ない人みたいに感じてきた…。 「ねぇ、佐助って演劇部に知り合いとかいた?」 「知り合いも何も俺様演劇部なんですけど」 「…………ハィ?最近耳が遠いみたい。何?パードゥン?」 「俺様が演劇部ですが、何か?」 「………誰が、何だって?」 佐助は勢いよく椅子から立ち上がり、大きく一息吸い込んで私の耳元で 「俺様が演劇部ですが何か!!?」 叫びやがった。さ、流石演劇部ってなだけはあるわね。発声練習してるから声がよく通りますね耳が痛いです。佐助は隣で「分かった?」と聞き返し首を縦に数回振った。そして私は耳鳴りがキンキン鳴りつつも続けた。 「でも、佐助って演劇部だったんだ…。この前サッカーの試合とか出てたじゃん?私てっきりサッカー部かと思ってた」 「俺様は何でもできるからよく助っ人として運動部に呼ばれるの」 「へー…だからバスケの試合も出てたんだ」 「あー出てたね。てか名前ちゃんはどこからそんな情報を?」 「あ、私新聞部だから運動部の試合見に行ったりして取材してるの」 「…え?……えええぇぇえっ!!!?」 「な、何よ…そんなに驚くことないじゃない。私が新聞部じゃ悪いってわけ?」 「……いや、物凄く意外すぎたから…名前ちゃんが新聞部とか…」 佐助は未だかつてないほどに驚いてた。まだ1人ブツブツ言ってる。あーそうですか。そんなに私に新聞部は似合いませんか。はいはいそうですね。どうせ私に新聞部は似合いませんよーだっ! 「まあ、部活の事は置いといて…今日の放課後演劇部におじゃましたいと思いまーす!」 「急に何言ってるの、名前ちゃん」 「私、コスプレしたいって言ってたじゃない」 「もう忘れてたかと思ったのに…」 「私の記憶力舐めないでよね!」 「じゃあ台形の面積求める公式は?」 「え……底辺×高さ…÷2…あれ?」 「………もう、正解でいいんじゃない?」 「だ、台形の面積なんて一生に一度も求める機会は来ないわよ!」 「いや、それ已然の問題だと思うよ」 そんな会話をしているうちに家庭科の授業は終わり、今日一日の学校生活も終わりに近付いていた。 ---------- 「佐助!演劇部はどこで練習やってるの?」 「……まだ忘れてなかったんだね」 「当たり前じゃない!私はコスプレしたいが為に今日の午後の授業を頑張ってきたの」 「ソウナンデスカーヨク頑張リマシター」 「何よ、その棒読み」 「何でもないです。じゃあ案内するから着いてきて」 そして辿り着いたのは見たこともない体育館。あれ?この学校にこんな体育館あったっけ?私、未だに校舎内理解しきれてないんだよね。無駄に広いのが悪いんだ。 「うわぁ…この学校、こんな大きな体育館あったんだ…知らなかった…凄いね!」 「こんな大きな建物に気付かない名前ちゃんも相当凄いよ」 適当な会話をしながら、演劇部が練習をやっているという部屋までやって来た。てか、この演劇部すごくね?想像してた演劇部と全然違うんだけど。筋トレって必要なの?裏方の方々かな?演劇部ではこれが普通なの?まぁそんなことはどうでもいいわ!私にはコスプレをするって言う大事な使命があるからね! 「それで、衣裳はどこに?」 「ああ、そうだったね。衣裳は…あっちにの部屋にあるの全部だよ」 「ぅえっ…?」 ちょっ…何ですかあの衣装の数。こんなにたくさん何に使うんですか。てか、どうして色んなメイド服がこんなに揃ってるの。あ、あそこに○ァイナル○ァンタジー的な衣装あるよ。これ舞台で使わなくね?どうせ誰かが趣味で持ってきたんでしょ?え?マジで使うの?何の演劇だよ。 「で、名前ちゃんはどのメイド服着てくれるの?」 「え、メイド服限定なの?私的には○ァイナル○ァンタジーのあの魔導師的な凝ってる衣装着てみたいんですけど…」 「家庭科の時間に猫耳メイド服見せてくれるって言ったでしょ?」 まだ覚えてたのか、そんなことを…!と思いつつ、佐助の笑顔に恐怖を感じたのって何度目かなあ…。 「え…やっぱり着なきゃ…ダメ?」 「うん、着なきゃダメ」 語尾にハートマークでもつきそうな口調と満面の笑みが逆に怖いです佐助さん。 「じゃあ俺様が選んでやるからそれ着なよ」 「え、うーん…分かった。変なのは止めてよ?」 「大丈夫。俺様センスあるからね」 その根拠はどこからくる。しかも手に持ってるのって確実に『うる○やつら』のラ○ちゃんコスチュームだよね?確実にメイド服じゃないよね?だってだって、虎柄ビキニだもん。エメラルド色のウィッグまであるってどう言うことだ、この演劇部。ある意味スクープじゃ…? 「佐助、メイド服か○ァイナル○ァンタジーの魔導師的服だからね!」 「はいはい分かってまーす」 なんとかラ○ちゃんコスチュームから手を離した佐助にホッとする私。 すると、佐助は服を選んだのか私のところに戻ってきた。 「はい、じゃあこれ着てね♪」 「What is this?」 政宗じゃないけど、ついつい英語で返しちゃったわ。佐助が手に持ってるのって何の布キレですか?おい、猿。ジャジャーンじゃねぇよ。何よ、その際どいメイド服。え?これもメイド服なわけ? そこに広げられたのは、短いスカートで、背中は丸出しの極力、布の使用を控えたメイド服だった。ここって、本当に演劇部の衣装部屋なんですかって不思議で堪らない私。 「…私に、これを着れって…?」 「だって着てくれるんでしょ?」 あれ?軽く脅迫されてない?猫耳メイド服の方がまだマシな感じがするけど…私に発言権はないみたい。佐助めっちゃ怖い。今までにないほど怖い笑顔だようわあああああっ! 「…………」 「…俺様が脱がせてやろうか?」 「結構です!!」 危ない危ない。さらに危険区域に突入する所だった。 着る着ないの攻防戦を繰り広げた後、負けてしまった私は佐助が指定したメイド服を着ることに…なりました。ええ!着ましたとも!もう私には開き直るしか方法がないのよ…! 「あ、あまりじろじろ見ないでよ、恥ずかしいから…」 「いいね…いいよ、名前ちゃん…!」 「ちょっ…さ、佐助…?」 ヤバいヤバいヤバい。佐助の様子が変だよ。今までにないよ、こんな佐助。ある意味レアだけど、ある意味命の危機だよ。 息を荒らしながら、目を見開き、口は半開きでヒクつき…き、気持ち悪い佐助が目の前に…!! 「わ、私、帰るから、着替えるね!!」 「だだだだ駄目だよ名前ちゃん…はあはあ…今からが、イイところなんだから…」 「いやあああっ近付かないでええええっ」 「名前ちゃん…はあはあ」 「ヒイイイッ」 こうして、私は変態と化した佐助に何着も、何着も、変なコスチュームを着せられ…たので、す(ラ○ちゃんも)。もう佐助には絶対近付かない、そう決めた私の戦い(佐助を倒す的な)は今も続く! ********* タイトルのCSNWは"コスプレしたくて何が悪い"でした草○くん的名言ですね(←)。…今回は(も)、色んな意味でごめんなさい。途中から脱線して話が飛んでいった上に、おふざけが過ぎたようです。が、後悔してない自分が悔しいです。こういう佐助を見てみたいのかもしれない(…)。 [*前へ][次へ#] [戻る] |