イヤホン(元親/学) ※夢主←元親だけど、全く気付いていない夢主視点。 出欠番号順で数ヵ月に1回回ってくる、日直の仕事。その仕事が私に回ってきた。放課後、私はガリガリと日直日誌を書いていた。 少し離れた席ではチカが音楽を聴きながら、グラウンドを走り回っている運動部を眺めていた。 …一緒に帰ろうって誘ったんなら、何かしら手伝ってくれてもいいじゃんか、とか思っても口には出さない。 「チカァー終わったよー」 「……………」 返事がない。ただの屍のようd…チカです。仕方がないからもう一度呼んであげよう。 「チィーカァー?」 「……………」 「……………」 この野郎完全に無視しやがって先に帰るぞ。誘ってきたくせに先に帰ってもいいのかよ。 「…………ちっ、死ねばいいのに」 本心じゃないけど、ちょっと言ってみる。どうせ聞こえてないからね。 「ああ?何だと、コラ」 やべっ!なんか聞き取られてるし何こいつの耳。地獄耳にも程があるわ。 「…何故聞こえたし」 「聞こえたもんはしょうがねぇ」 「さっきは無視しやがってこの野郎!」 「はあ?」 まさか聞き取られるとは思ってもいなかったから焦ったわ。まあ、本心じゃないってのは分かってくれるかな…うん、大丈夫。大丈夫、だろう。 「……まあ、いいや。で、何聴いてるの?」 「リンキ○パーク」 まさかの回答にちょっと固まったけど…いや、やっぱりまさかだった。 「…英語ダメそうなのに洋楽とか聴くんだ…」 「うっせぇな…」 「私も分かんないけど聴いちゃうし…アレだね、リズムを聴くみたいな感じ?」 ほんと、英語駄目そうなのに。でも、洋楽っていったら伊達くん似合いそうだよね…ってのは関係無いか。 「名前も英語は、苦手なのか?」 「ま、まあね…」 イタイとこ突いてきたなこの野郎。日本語が世界共通語になるって信じてるから勉強しなくていいのよ。てか、「リズムを聴く」に対しての意見はなしかよ。 「ねぇ、それより私にもそれ聴かせてよ」 「いいぜ。ほらよ」 そう言ってチカが渡してきたのは左耳のイヤホン。 「いや、何でイヤホン片方だけ…?」 「俺も聴きてぇから」 そう言って、チカは音楽に集中し始めた。私は隣の席の椅子を引っ張ってきてチカの座り、左耳にイヤホンを着けた。 「でも、1つのイヤホンを2人で着けるとか、なんか…恋人みたいだよね」 「…………………」 チカがこっちを見て固まった。口を半開きにしたこのアホ面。アホ面でも男前って何だよ。 「名前」 「んー?」 音楽に夢中になっている私は適当な返事をした。この曲、どこかで聴いたことあるなーって思ったらトランス○ォームする映画の主題かじゃん! 「俺のこと、どう思「トランス○ォーーームッ!」 急に立ち上がり、右手を天井に掲げての一声。隣で地味に驚くチカ。あ、立ち上がった時にコード足りなくてイヤホン外れちゃったわ。 「あ、何か言った?ちょっと自分の世界に入っちゃってた」 「………いい加減、帰るか」 なんか力が抜けたようなチカ。何こいつ。疲れてるのはこっちよ。日直の仕事の辛さを知らずに…!って、 「うわっ!正面玄関閉まっちゃうから急がなきゃ!」 「マジかよ閉めんの早くねぇか?」 玄関が閉められる前に帰らなきゃ事務員の先生探すしかないんだよ。キツいんだよ。だから早く帰んなきゃ!と心の中で訴え、急いで帰り支度をした。 「じゃあバイバイ!」 「…はあ?一緒に帰るぞ」 忘れていました。そうだ、一緒に帰ろうって誘われてたんだ。すっかり忘れてた。トランス○ォームしてる場合じゃなかったじゃん。 「ああーもぉー…じゃあ早く行くよ!!」 「あ……ああ、」 下駄箱まで走って行くと、丁度事務員さんが鍵を掛けに来たところだった。ギリギリセーフってやつですね。 「ほら、チカ早く!もう靴履くな!外で履け!あ、事務員さん、もう出ますんで!」 「ちょっ…名前、それはねぇんじゃね?」 そんな感じで学校を出ていきました。あ、靴下の裏側超汚い。 (ねぇ、チカってさ、リンキ○パーク好きな理由ってトランス○ォーマー?) (トランス○ォーマーで悪ぃかよ) (私、バン○ルビー大好きなんだー) (おまっ…そこはオプ○ィマスだろ…!) (えー…ビーが好き) (じゃあ、バン○ルビーと俺は?) (ビーが可愛い) (……………そうかよ) ---------- ああ…文が書けない私、吉田です。トランス○ォーマー大好きです。チカも絶対好きだと思います。オチが見えずに適当にシメた、こんな駄文読んでくださりありがとうございました! [*前へ][次へ#] [戻る] |