◆救い そんな辛い中、精神が完全に壊れなかったのは、 まだ救いがあったからです。 合唱部に入ってますます歌に打ち込んだ。 合唱部で初めて腹式呼吸を覚え、声も随分伸びる様になりました。 まぁ合唱部でも勿論友達が居る訳ではなく、冷たくされたりしていた訳ですが。 でもわしの歌唱力と、絶対音感とまではいかないけれど、それに近い程の音感が、 合唱部でのわしの居場所を作りました。 常に抱いていた劣等感も、合唱部に居る時は消え、 常に何かと頼りにされるのが嬉しかった。 3年になると、幼馴染みのMと同じクラスになりました。 Mは…可能な限りは色々助けてくれた。 Mのお陰で絶望的だった修学旅行も楽しく過ごせた。 Mは、幼い頃から天才的に絵が上手く、 Mに影響を受けて絵を描く事にのめり込んだ。 この頃に経験した事は、良い事も悪い事も全て今のわしに強い影響を与えています。 人の痛みが分からない最低馬鹿にだけはなりたくない。 そう強く思いながら、卒業を迎えます。 [*前へ] [戻る] |