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◆気付かない過ち
わしが卒業し、就職した頃。
親父殿も退院しました。


親父殿は…無気力になり、歩くのも困難になっていました。



わしの親父殿と言えば、
眼光鋭く超完璧主義で頑固者で。口やかましくてプライドは天まで高く頭も良くて社交主義で。


それが、ガラリと変わってしまい、


生気のない目で1日中ボーッとし、おかしな行動を取ったり寝小便をしたり、


リハビリ?そんなものわしや母さんがどんな言い方をしても何をしても興味も示さない。





あまりの変わり様にわしはやり場のない怒りと悲しみを抱えていました。


随分、親父殿に冷たく当たってしまっていたのを覚えています。




…それが間違いだと気付かずに。
ただただ、どこにも気持ちをぶつけようがなくて。


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