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あなたの熱で焦がしてしまって-ヒュウガver.-<013>


「おっはよー!」
「……はよ」
「あれ、まだ寝てたの?」
「ん…」
「いつもより遅いなぁと思って来たんだけど」
「もう、そんな時間……?」

「珍しいね」
「なんか…すご、ねむくて……」


いつもは保護者に起こされているのだろうか
普段であればとっくに顔を出している時間になっても来なかったのを気にかけて、彼女の自室へとやってくれば未だ夢の世界にいたようだった。

静かに入れば良かったと既に過去となった事を悔やむ。
アヤナミのガードが無い今日だけは触り放題だとはしゃぎすぎてしまった。



「……」

意識内で葛藤を続けるヒュウガをよそに、ノソノソと起き上がる。
心なしか平常時と比べ血色が良すぎるような気がしないでも無い。

「……?、ちょっとごめんね」

当然、それを見逃すような男ではなく、彼女との距離を詰め額に手を押し付ける。



「じゃま……」


キレの悪い言葉

異常な睡眠欲
良すぎる血色

そして――…、掌にさえも移るほどの命の主張





「なっ、降ろし――」
「だーめ。今、君に必要なのは睡眠・休息・養生なの。わかった?」

有無を言わせる隙も与えず膝に手を入れ抱き抱えて、抗議の声をものともせずベットへ向かう。


「でも」

ベットに降ろし布団を掛ければ少しは大人しくなったが尚も続く抗いの言葉。

「でももヘチマもありません。仕事が心配ならアヤたんには俺が言っとくから」


溜息が出る。
どうして此処まで身を削る真似をするのだろう。



「だめ、アヤナミには言っちゃだめ…っ」

アヤナミという名に反応したのか頭を撫でる俺の手をとる。
必死に懇願する姿はあまりに甘美で



「……じゃあ、俺のお願いナンデモ聞いてくれる?」

「アヤナミに言わないでくれるなら」



ついつい言ってしまった下心を大いに含んだ言葉にも即答する
ホント愛されてるよね、アヤたん。



「今日……、今日一日大人しく寝てる事。それが出来なかったらアヤたんに言っちゃうからね」
「わかった。そのかわり――」
「ハイハイ。ちゃんと黙っておくよー」


溜息が出る。
俺の入る隙なんてないことを、よりによって自分自身で証明してしまった。



「ご飯持ってくるけど、何か食べたいのとか要るのある?」

もっと触れていたいと駄々をこねる心を黙らせて、外へと繋がる扉に手をかけようと進んだ。


「……前食べた黄色いやつ」

「リョーカイ♪」

返答を受け取ったと同時に無機質を握る手に力を篭めた。










いくら君が欲しいと思えど
叶える事は無理だとわかっている

だからいっそ、
この願いごと僕を壊してくれないか


013:あなたの熱で焦がしてしまって


跡も遺らぬように僕の全てを燃やし尽くして







何度もそう考えた、
けれどその度君の一言で全てが惜しくなる。
(君の中にも欠片ぐらいは僕が居るんだって勝手に舞い上がってる)





お題提供:追憶の苑様【切情100題】





黄色いやつ=以前ヒュウガが食べさせた(っていう設定の(←後々書きたいと思っている)プリンだと可愛い。








お遊び<ヒュウガver.>です。
……反省は、しない。←

書いてたら佐助っぽくなったグラサンが悪い!←




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あきゅろす。
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