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キミへの想い
(クラウドBD小説-2012-)



「さてと、」


クラウドを見送ったあとザックスはクーラーを点けるとキッチンへと向かった。
冷蔵庫からミネラルウォーターを取り出すと暑さに火照った体を冷ますように喉へと流し込む。


「まずはシャワー浴びて飯だな」




シャワーを浴び終えタオルで頭を拭きながらリビングに戻ってくると室内はクーラーによって過ごしやすい温度になっていた。


「あ〜!やっと体が休まるぜ」


その後ザックスは適当に食事を済ませ体を休めたあと買い物をするために家を出た。
外に出ると日差しは少し和らいだようだったがそれでもまだ茹だるように暑く、出る言葉と言えば…


「暑い…」


口から零れるのはやはりこの言葉だった。
それでもザックスは買うものがあるらしく街へと繰り出していった。

買うものは決まっていたけれど適当にいろんな店を回って物色していると不意に声をかけられた。


「ザックス?」


その声がした方へと視線を向けると一人の女がいた。
目が合うとザックスは、あ…と声を漏らした。
その女はザックスの方へと歩み寄り隣に並ぶと久しぶりと話しかけた。


「おう、久しぶり」

「元気そうね」

「そっちも」

「まぁね」

「………」

「………」

「彼女への贈り物探しかしら?」

「え?なんで?」

「なんでって……でなきゃなんでザックスがこんなかわいい雑貨屋にいるのよ」


彼女は呆れたようにしかし楽しそうにクスクスと笑ながら似合わないと言葉を続けた。
そんな彼女を見てザックスも釣られて笑った。


「あたしと別れてから何人目の彼女さんかしら?」

「おい、人をそんな節操なしみたいに言うなよ」

「え?違うの?」

「おいおい、ひでーな」


互いに笑い合う2人。
彼女はザックスの元カノだった。

彼女の柔らかな雰囲気にザックスは、今の恋人と上手くいっているんだなと感じ取った。


「そんなにイイ男なのか?お前をますますイイ女にしたその男は」


自分の話は何もしていないのにそんなことを言われたものだから彼女は少し驚いたが、ザックスはこういう奴だったと思い出しザックスに言葉を返した。


「まぁね。ザックスなんて比較にならないくらいイイ男よ」

「スゲーな。俺よりイイ男なんてそうそういないぜ?」


イイ顔をして言ってくるザックスに彼女は呆れながら相変わらずねと言った。
そんな彼女にザックスは…


「…でもホント、前からイイ女だったけどますます綺麗になったよ、リサ」

「…それあんたが言うの?」


苦笑いで応えるザックスに彼女もザックスに言う…


「さっきはあんなこと言ったけどあたしだって分かってるよ、ザックスは意外と一途だってこと」

「…サンキュ」

「うん」

「あ〜、なんかスッキリしたな」

「何が?」

「分かんね」

「何それ。でも分かる。あたしもなんかスッキリした気がする」


じゃ、あたし行くね、彼女泣かすなよと言い残し彼女は去っていった。

その後ザックスは目的のものを購入すると帰路についた。
外は昼間とはまた違った暑さが立ち込めていた。




キミへの想い

(やっぱり何より大切だ)



to be continues

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