[携帯モード] [URL送信]

空にうつるもの
散歩


―コツ コツ コツ



今日は空が蒼い。



心地よく吹く風が、春を知らせている。



『なんか。…………この時間、落ち着くな。』



家を出てすぐ、その辺にあったコンビニで、おむすびなどを買った。



今は、食べるのに良い場所はないか探し中。



『せっかくだから、見晴らしのいいところがいいよな。』



しばらく歩いていると住宅街からそれた。



見渡すと、道路沿いに大きな川が流れている。



『へえ〜。こんな場所があるのかぁ。』



家から歩いて20分ぐらいだろうか。



川沿いに土手がある。



昼寝をしたら気持ち良さそうだ。



川を眺めながら道路を歩いてみる。



―ー・・・―――・・ー



―ふゎっ



ーー風が流れたーー


『っ………。』



一瞬……、呼吸を忘れてしまった……。



――・・・ーーー・・ー



どこからか響き渡る、小鳥の鳴き声。



川のせせらぎ。



こぼれ落ちる、お日様の光。



ただ、空を眺める整った横顔………。



太陽に反射し、輝きを放つ銀色の髪。



自然界の調和がとれた一つの絵のような情景。



静かに流れる空間。



――・・・ーーー・・ー


土手に座っている、知らない誰か。



見た瞬間から、魅了された………。



目が離せないのだ。




過ぎた時間は何時間だったか………、それとも一瞬だったか………。




[*欠月][満月#]

5/35ページ

[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!