空にうつるもの 4 『俺はケンカをする気はない。嫌いだからな………。だから【銀の雫】に入る気もない。』 キッパリ言う蓮李に、すかさず赤髪が突っかかった。 「ケンカが嫌いと言いながら、翔の敵を倒したから、お前はここに居るんだろうが。」 ハッと馬鹿にした笑いを浮かべた。 『………それは翔がいたから。 ……大事なダチが傷つけられて、冷静でいられるほど、………俺は大人じゃないんだよ。』 真っ直ぐな視線の蓮李に、圧倒される赤髪の男。 『俺は、自分が大切だと思うものを傷つけた奴らは、許さない………。 たとえケンカが嫌いでも、…………同じような事があれば、俺は躊躇わないだろう。………それだけだ。』 「…………チッ。」 反論出来なかった赤髪の男が、そっぽを向いた。 それを見ながら、なおも続ける。 『まあ、お前が怒るのも無理ないよな。いくら翔のダチでも、こんな得体の知れない奴を信じる方が難しい。 ………信用出来ないならそれでいい。それはお前の判断で、感情だから。 それに何かを言うつもりも無いし、信用しろとも言わない……。 ………第一、俺もお前らを信用してはいない。』 最後の発言に、驚いた顔を向けてくるメンバー達。 [*欠月][満月#] [戻る] |