空にうつるもの 2 その時のことを思い出しているのか……、工藤が大きなため息を吐いた。 「もー、俺最初ここがどこだか分からなくてさ。 ………混乱し過ぎて、俺ナニジン?って思ってたよ。 ……寝起きに英語は、キツいよなぁ〜。」 『あはは、確かにな。お前が混乱してるのは、見てて分かったよ。 今日は早く寝ろよ。』 「あぁ。俺、9時にはもう寝てるかも。」 『9時とか……、かなり規則正しいな。』 「いや、もっと早く寝ることも、ありえるな。」 うん、うんと、頷く工藤に笑っていると……、帰る準備が済んだので、翔に声をかけた。 『翔、行くか。』 「あぁ。」 もう、既に準備を終えていた翔は立ち上がり、ドアに近づいていく。 『またな、工藤。何時間睡眠だったか、明日聞くわ。』 「おう、楽しみにしとけよ。 二人とも、お疲れ〜。」 『おう。』 「あぁ。またな。」 ひらひらと、後ろ手に手を振る翔の背中を、蓮李は追いかけていった…。 ついに向かうのは、【銀の雫】の溜まり場だ………。 [*欠月][満月#] [戻る] |