空にうつるもの
2
―翔side―
― コツ コツ コツ カチャ
「よっ!!今、きたのか〜〜翔。」
「…ああ。」
なんとも軽そうな雰囲気で話かけてきたのは、銀の雫の幹部の一人………夜神 朔(ヤガミ サク)だ。
長すぎない茶髪に赤メッシュを入れているこの男は、かなり服を着くずしている。
色気のある男だ。
「や〜〜、他の奴らまだでさぁ、俺一人寂しく待ってたんだわ〜〜。」
「確かに今日はみんな、遅いな。」
朔の軽い口調はいつものことだ。
「だよなぁ〜。まあせっかく二人なんだしさぁ〜聞いちゃうけど。
…………最近なんかあったか?雰囲気が少し…柔かくなった。」
「は?」
突然、真面目な顔して聞いてきた朔に、驚いた。
朔はいつも、軽い雰囲気を出してはいるため…、何も考えてないように思われがちだ。
しかし本当は、周りの奴の変化にはいち早く気づく……鋭い奴だ。
それだけよく、周りの奴を見ている。
初めてそれを知った時は驚いたな。
「なにかって?」
「ん〜〜?良いことでもあったのかなって。」
ニコニコと笑顔を向けてくる。
自分では自分の変化が分からない。
………思いあたるのは一つのこと。
しかし、それを口にすれのは少し照れくさい。
朔の顔を見てみると、話せと視線を送ってくる。
[*欠月][満月#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!