空にうつるもの
3
翔は明るい奴だった。
……見た目はクールそうなのに。笑
『なぁ、なんであんな噂が流れててるんだ…?』
俺は、不思議に思っていたことを、おもいっきって聞いてみた。
「……俺は昔から、こんな顔してるからか、怖がられることがあった。
なんか見た目で決めつける奴が多くてな……。
容姿だけしか周りは見てないんだな、って思った時からあんまり笑えなくなった。
無表情が怖いのか、その時ぐらいから噂が増えたな……。
わざわざ誤解を解くのもどうでもよくて、放っておいたら…………今みたいな感じだ。
さっきは、久しぶりにあんなに笑ったよ。
まあ、不良ってのは否定しないけどな。
一応チームの幹部だし。
まあ、そんなとこだ。」
少し……諦めてしまったような顔で話す翔。
それを見て悲しくなった………。これから少しでも多く、笑顔がみれるといい。
『…そっか。教えてくれてありがと。』
「…あぁ。蓮李は俺が不良と聞いても変わらないな。少しホッとした。
でも、俺といることで、チームの抗争に巻き込まれるかもしれない。それでもいいのか?」
翔の顔から不安が読みとれる。
バカだなあ…。それくらいで離れる気なんてないのに。
『関係ないな。俺と翔はもう友達だろ……?その事実だけが俺にとっては大切。』
フニャっとした顔で言うと
、翔も笑ってくれた。
「俺が蓮李を守るよ。」
『ありがと……。翔のことは俺が守るから。
…もうすぐ、入学式が始まる。一緒に行こうぜ!!翔。』
「ああ。笑」
なあ翔……、
俺は翔と友達になれて、よかったよ。
[*欠月][満月#]
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