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雅恋祭り其の二
*雅恋 壱と参号
*壱号、恋に気付くステップシリーズ其の二



〜〜〜〜〜〜

「ねぇ壱号くん、どうしてそんなに怒ってるの!?」

「…怒ってなんかいない」


いつもより足早に進む僕の足取りを、戸惑ったような声が慌てて追いかける。
速まる速度に、速まる足音。少し荒くなった息遣いからも、参号の懸命さがうかがえる。
すぐ後ろの参号が伺うように顔を覗き込もうとするけれど、それすらも無視をきめこむことにした。


「怒ってないなんて嘘!さっきも、急に部屋を飛び出して行っちゃうし…」


心配しているのだと。純粋に、そんな気持ちが伝わってくる。だけど、この速度を遅めるつもりも、ましてや立ち止まるつもりも僕には毛頭ない。

ただ、急に外に出たくなっただけ。
ただ、速く歩きたいだけ。

参号が言うように、僕は怒ってなんかいない。


「ねぇ、私何かしたかな…?」

「別に。僕はただしたいことをしているだけだ」


僕自身がただこうしたかっただけで、参号には何ら関係なんてない。
そう、例えば参号がライコウが見つめあって微笑みあっていようと。
源信に優しく頭を撫でられていようと。
和泉に手を握られて口説かれていようと。
参号が僕以外のやつとどう接していようと、何ら関係ない。

だから、僕は別に怒ってなんかいない。

怒ってなんか──



「でも、源信さんもライコウさんも、和泉だって!みんな心配してたよ?」

「やっぱり怒ってる」



ただ、参号の口から他の男の名が紡がれるのは面白くないとは思う。


僕と後輩と独占願望

(ねぇ、どうして怒ってるの?)

(…お前にだけは絶対に教えない!)




壱号が仕事寮の面々にやきもちをやき始めたの図。
晴明さまはご主人さまなのでまた別枠です。
でも弐号は当然ながらやきもち対象です(笑)

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あきゅろす。
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