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雅恋祭り其の一
*雅恋 式神トリオ(参号はちょい出演)
*壱号、恋に気付くステップシリーズ



〜〜〜〜

「壱号はほんまに参号が大好きやなぁ〜」

「だ、誰があんなやつ…!!」


“好きなもんか”

にやにやと気持ち悪い笑みを浮かべる弐号にそんな抗議の声を挙げようとした視界の端、ふと参号の姿が映る。

舞布を身に纏い、まるで踊るように戦う少女。
出会ってすぐの頃よりは幾分も見られる戦闘をするようにはなったが、何せ場数を踏んでいない為、その背はやはりどこか頼りない。

別に僕は参号が大好きな訳じゃない。
ただ、危なっかしくて少し気になるだけだ。


そう、例えば前方の敵にしか注意を向けられない今現状の参号とか。



「ちっ…」


小さく舌打ちをして、行く手を阻むアヤカシを一気に焼き払う。
全く、あれだけ殺気を放たれているのに、後ろの状況に気付かないなんて。本当に、随分と世話のかかる後輩だ。


「参号!!」


出来るだけ大きく名を呼んで、あいつの元へと地を駆ける。
僕は先輩で、参号は後輩だから。少しくらいなら面倒を引き受けてやらなくもない、と思う。



「…ほんま、壱は参号が大好きやなぁ」


背中から聞こえた小さな弐号の呟きは、風で聞こえなかったことにした。


僕と後輩と理由付け

(ありがとう、壱号くん!)

(べ、別に、ただそこのアヤカシが邪魔だっただけだ!)

(青い春、羨ましいわ〜)




ブログから再録した、壱号が恋に気付くステップ其の一。
無意識に恋を意識し始めたツンデレ壱号と、色々と悟っているお節介弐号と、恋の予感に全く気がついていないマイペース参号のトライアングラー。
式神トリオは恋でも友情でも美味しい関係だと思います!

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あきゅろす。
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